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ようこそ。(最新作は「 ふたたび、雪  」です。

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具体的には、解呪のために旅する一行(お姫さま、王子さま、その友人たち)の、現在と過去のエピソードを交ぜ織っています。

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ふたたび、雪

 重たいカーテンを開けてみると、外は白く、きらきらと眩しい。昨日は吹雪いていたが、今朝は晴れたようだ。
 とはいえ、指先が微妙に冷えて、聖札をうまく操れそうにない。なるほど、このような占いの文化にも、土地の気候というものが影響するのか――などと思いながら、黒髪の若者は、身支度をして、朝食のために食堂へ向かう。
 
 木でできた真四角のテーブルを四人で囲み、食事をした。
「食べ終わったら、外に出て雪だるまを作らないか!」
と、金髪の王子が嬉しそうに言うのへ、セレンが呆れたように、
「こどもじゃないんだから。ぼくは行かないよ」
「何だよ、その言い方は。せっかく晴れたんだから、外に出ようぜ」
「わたしも雪だるま作りたい!」
 弾んだ声で言い出したのはフィリシアだ。フルートが、我が意を得たりという顔をする。
「そうだよな!」
「うん!」
「ゼラルドも、雪だるま、作ろうぜ」
 黒髪の若者は首をかしげた。一年ばかり前に誘われたときは断ったものだが。
「ユキダルマ。ユキダ・ルマ?」
「ユキ・ダルマ。雪だるま」
「雪だるま」
 わかったような、わからないような顔でつぶやくと、フィリシアが笑顔で言う。
「一緒に作りましょうよ!」
「・・・わかった」
 なりゆきを見守っていたセレンが、あーあ、と溜息をついた。
「お姫様も王子様も、今は為政者ではなく冒険者、というわけだ。まあ、天候待ちの間に羽根を伸ばしても、罰は当たらないか」

 四人で、雪だるまを作った。コートと手袋と長靴で防寒した彼らは、みんなモコモコだ。
 にぎやかに騒ぎながら雪玉を転がすフルートとセレンが、ひとつめの雪だるまを作り。
 にこにこと上機嫌なフィリシアを、ゼラルドが手伝って、ふたつめの雪だるまを作った。
 みんなで満足して二体の雪だるまを囲んで、うんうんと頷きあった。立派に出来た!
「気がすんだら、戻って、お湯を浴びて、よく乾かして。風邪をひかないように」
 セレンが言うので、みんなで笑いながら戻る。
 館の入口を入る前に、ゼラルドはもう一度、雪だるまを振り返った。
 一年前に、寒いからと言って作らなかった雪だるまを、作れて良かった、と、思った。

(完)

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