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金の砂の塔(03)

胸を押さえて、あたりを見回すフィリシアを、王子が鋭い声で呼んだ。
「フィリー、早くこちらへ!」
呼ばれるのと、異変に気づいたのは同時だった。いま閉じた本の上に、小さな金色の砂の山が積もっている・・・。
フィリシアは頭上を見上げ、それからあわててフルートのもとに駆け戻り、さっき上ってきたばかりの階段を、今度は二人で駆けおり始めた。
塔が崩れている!
「フルート、先に逃げて」
「何を言っている、ほら」
フルートは手を伸ばして、遅れがちなフィリシアの手を取った。そのまま手を引いて駆け下りる。
「ごめんなさい、私が、本を、閉じたから!」
「そう読めたのだろう」
「ええ」
「それならいい」
駆け下りる二人のうしろで、塔はどんどん崩れ落ち、壁も階段も、上のほうから塔の内部へと流れ落ちて行く。
あと少し、下まで降り切らないうちに、崩落は二人の背後まで迫った。崩れた壁から、外の景色が見える。
フルートは目で距離を測ると、立ち止まり、
「失礼」
王女を抱えあげて、そのまま、跳んだ。
降り立ったところも、すでに砂の上だった。二人が振り返ると、塔は今まさに、巨大な砂の山となり果てたところだった。
その山がサラサラと崩れ、足元に砂が押し寄せ、あわてて飛びのく。
けれども、崩れた砂はきらきらと輝きながら消えていった。淡雪のように。
流れて消えた砂の下からは、道が現れた。さきほどまではなかった道が、荒れ野を緑野に変えつつ、すうっと延びてゆく。遠くには、向こうから来る人の姿さえ浮かび上がった。
フィリシアはフルートを見た。フルートはうなずいた。
「行こう」
そして二人は、道すがら、行きあう人々に金色の塔のことを聞いてみたのだが、誰も、そんな塔があったことすら知らなかったのだった。

(完)

 

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コメント

本が崩壊の鍵だったようですね
本が存在してるから崩れなかったとか
塔は砂で出来ていたのか?

コメントありがとうございます♪
塔の役目も、本の成り立ちも、ぜんぶ謎のままの奇妙な話なのですwink

お久しぶりです~。始まりの物語~から読んできました♪ああ、こうやって繋がっているのか……!!魔女の呪いはとりあえず回避出来たのかな、フィリシアちゃん。呪文唱えてる魔女の生首は気色悪かった(暗)
ところで専業主婦さんなのでしょうか?<フルタイムの家事。
私はそうなんですが、子供が病気したりして、少々過労気味です。家事って意外に重労働ですよね~。お体にお気をつけて!!

景澤晶さん、いらっしゃいませ~☆
こちらも、またお邪魔しようと思いながら、なかなか訪問できず、ごめんなさい!(>_<)

えっと、「(パートでなく)フルタイム勤務」と「(手抜きの)家事」という意味でありまして、当方、有職主婦でございます。
絵本やぬいぐるみが好きなので、よく子供がいると間違われるのですが、実際にはいなくて、私自身が子供みたいなものです(^^;
子育てされているお母さま方には頭の下がる思いです。

春って、何かと忙しいですよね。お天気も不安定だし・・・。お互い、気をつけながら頑張りましょうね!

こちらでは初めましてhappy01
ここまで読みました!

面白いですっ!
映像が浮かんでくるようですnote
二人のかけ合いもすごくいいですhappy02
フルートくんのかける言葉が、とっても優しくてheart04

少しずつですが、のぞきにきますね!happy02

弥沙さん、こんにちは。
コメントありがとうございます♪
ひとつでも気に入っていただけて嬉しいです~happy01heart01

話によって少しずつ雰囲気が変わりますので、
読みやすい話も読みにくい話もあると思いますが、
他にもお気に召す話があるといいな、と願っていますclover

月路さん今晩は。最新作の『幻術の塔』タイトルから
『金の砂の塔』と『花園の夢』
が想起され第一話を読み直してみました。

どちらもフィリー絡み(花園の夢はフルキャスト出演)
で招かれ導かれて解呪?のような何らかの効果が発揮され
新たな道が開ける展開ですね…

道なき道を探す困難…不安や恐怖に負けない健やかな心根
誰からも愛され無償の援助を約束された人柄。
大いなる負の遺産。宿命に打ち勝つヒロインの天佑
いつも妖精や友、誰かしらが助けてくれますね。

呪いを受けたり、ドラゴンや妖精に魅入られ拉致されたり
青い髪は薄れた人ならざる血が入ってるのかなぁ?

金の砂の塔の謎…大分ストーリー進んで何処かで
伏線回収されるのかな?
と読み直してみたけど…謎は謎のまま。そうだった^^;

魔に導かれて退治を伴って道が開けるゼルの退魔行
幻術の塔の展開やいかに!最新作の続きも
ワクワク楽しみにお待ちしています!
ではまた

とり3さん、
コメントありがとうございます♪

そうなんです、再び「塔」なのです。
私も、「金の砂の塔」のことを思い出しながら書いています。
似たようなお話になる予感もありつつ…coldsweats01

「金の砂の塔」は、実を言えば、初回リリース以降、
ときどき、少しずつ、少しずつ、手直ししているのですが、
いっこうに「つたない」感じがぬぐえません。
謎を謎のままに置きつつ、もう少し繊細に書けたらいいなあと思います。

フィリシアについては、「助け、助けられる」星回りのような気がします。
ひとを進んで助けようとする姿勢が、巡り巡って、彼女自身を助けているのかも。
「幻術の塔」でも、きっと…?

こつこつ書きますので、よろしくお願いいたします。
いつもお声をかけていただいて、とても励みになっています。
どうもありがとうございます!

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