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ゆがんだ城(05)

「――あんたは何者? そして、なぜそうやって人間の肩を持つの?」
 女の目に、初めてちらりと疑惑の色がよぎった。ゼラルドは冷笑して、
「誰であろうと関係はあるまい。私が人を弁護する理由は、私もまた人であるからだ」
「ふん。要らないわよ、人なんて。おなかの足しになるだけよ」
 女の目が光り始めた。ぎらぎらと光るその目で、すうっと横のほうへ視線を移動させる。ゼラルドはその先に何があるか知っていた――セレンがいる。
 ゼラルドは、手に持っていたグラスを、女に向けてひょいと投げた。グラスは、女の視線をさえぎる位置で砕けた。女は舌打ちして指を動かし、聖句をつづってゼラルドのほうに向きなおった。グラスのかけらはいくつかゼラルドに向かって飛び、ゼラルドはそれを短剣で払い落とした。
 セレンは大きく息をついたが、特に彼の身に異常はなかった。グラスを砕いた女の視線は、どうやら彼に害を与えることに失敗したようだ。女はそれに気付くと、残念そうにゼラルドに呼びかけた。
「あんたが連れを壊されたときの顔を見てみたかったけど」
 床にあるグラスの破片が、また一つ飛んできて、ゼラルドはそれをまた短剣で打ち落とした。
「難しそうね。仕方ないわ、あんたが先よ」
 女の手には、いつのまにか青白い剣が握られていた。
「もう一度言っておくけど、あんたの力はこの城のこの部屋では効かないわ。ここでは、どんなに強くても、太陽神の力は消えるの」
 女は凄まじい笑いを浮かべた。セレンがびくっとした。その目に生気が戻って来つつある。さきほどの女の視線は、結果的には彼に荒療治を施したようだった。
 女は立ち上がり、二人の客も立ち上がる。
「あんた達がどんなに抵抗したって、所詮あたしの敵じゃない。おとなしく殺されなさい!」
「断る」
 ゼラルドは静かに言った。黒い瞳はまっすぐに女を見据えているが、妖しく輝いていた。
「セレン。そこを動かないでくれるかな。君など守りたくはないが、フルートに恨まれたくはないからね」
 セレンが何か答えるより早く、女の高笑いが響いた。
「まだわからないの! あんたは無力なのよ。無力って言葉の意味、わかる?」
 ゼラルドは、見る者をぞっとさせるほど冷たく美しい、彼独特の微笑を浮かべた。
「おあいにくさま」
 彼の指は優雅に宙をすべり、セレンの周りに、ぼんやりと青く光る壁ができる。女の顔から侮りの色が消えた。
「ぼくの名はゼラルド・ルインドゥーラ・ルーズヴェルン。つまり、太陽神の力と同じように、月の女神の力も使える、ということだ」 

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