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  • (2017/4/29朝) そして、3月に続いて4月もまた、溶けるようにして消え去って行くのであった…。

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赤い小鳥の姫君(01)

 大きな川だった。しかし、橋が壊れたままなのだという。
 つい修理が先延ばしになるのは、最近の雨不足のせいで岩がところどころ顔を出し、それを伝って向こう岸に渡れるから、なのだそうだ。水は深いが、流れは穏やかで、万一落ちても、多少なり泳げる者なら問題ないと、橋近くの住民は笑って言った。
「渡るしかないか・・・。フィリシア、君は大丈夫?」
「やってみる」
 馬たちには荷物を積んで泳がせた。フルートの白馬を川に入れ、進むように指示すると、他の馬を先導して泳ぎ出していく。あとは人だ。
 最初にフルートが、ひょいひょいと危なげなく岩を渡った。あとに続く者のことは考えていない様子で、あっさり渡りきってしまう。対岸に着いてから気付いたようで、後続を気遣わしげに眺めている。
 フィリシアはセレンに助けられて、一歩ずつ足場を確かめながら渡っていた。ゼラルドはそれを追い越して、川の中ほどまで来て立ち止まり、たゆたう水の流れを眺めている。
 ハプニングが起こったのは、それからまもなくだった。
「きゃっ」
 フィリシアが足をすべらせ、
「あぶない」
 セレンが踏み出してそれを助け、支えを求めて手を伸ばした先に、
「えっ」
 ゼラルドがいて、感心にも避けずに支えた代わりに、自分がバランスを崩して川に落ちた。フィリシアとセレンのほうは岩の上に残った。
 ゼラルドは少し泳いで、あとは歩いて対岸にたどりつき、フルートのことをちらりと不機嫌そうに見たが、とくに何も言わなかった。フルートも何も言えなかった。
 対岸に到着したフィリシアは泣きそうな顔で謝ったが、ゼラルドはそれを、
「君はいい」
と退けて、最後に到着したセレンをにらみ、半ばあきれ口調で、
「どうしてぼくがこんな目にあわなくてはならないんだって?」
 言葉のとおり、ゼラルドは全身、濡れねずみだった。

 

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