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(夏の訪れ)(02)

 夏の初めの森の中を、奥へ向かって少年は歩き出した。進むにつれて、少年の魂は束縛から解き放たれ、その瞳は次第に明るくなってゆく。
 どれくらい歩いただろう。不意に木々が開けて、美しい泉のほとりに出た。セレンは水面の輝きに心を打たれ、立ち止まった。
(何て・・・何てきれいな泉なんだろう。あんな窮屈な家よりも、こんな泉の中で暮らしてみたい。水底には、きっとガラス細工のような町があって)
 一人でいるときにしか見せない、うっとりとした目で、セレンは泉を眺めた。
(ああ・・・こんな泉になら、ときどき天馬だって水を飲みに来るだろうな。静かな夜に、そっと翼を広げて。その場に居合わせることができたなら、ぼくも遠くへ連れて行ってもらえるだろうか・・・)
 しばらくぼんやり眺めていると、不意に背後で、草を踏む音がした。セレンははっとして振り返った。瞬間的に、再び氷が張り詰める。が、振り向いて、彼は思わず目を丸くした。そこにあったのは、宮廷画家の描く絵画のような光景だったからだ。
 見たことのない少年、それもとびきりの美少年が、白い仔馬を連れて、木々の間に立っていた。年のころは同じくらい。陽の光を思わせる見事な金髪に、澄んだ青い目をしている。先客がいることに戸惑うようにこちらを見ている彼らは、セレンの目には、おとぎ話から抜け出して来たかのように映った。
 しばらくの間、二人の少年は、お互いにまじまじと見つめあったまま黙っていた。どこかから木々の間を抜けて来た風が、セレンの長い髪をふわりとなびかせた。
「・・・誰」
 先に口を開いたのは、セレンのほうだった。ささやくように、ただ一言。
 仔馬を連れた少年は、片方の眉を微妙にひそめた。
「・・・君こそ。まあいいや、ぼくはルーク。君は?」
「ぼく――ぼくは・・・」
 セレン・レ・ディア。そう答えようとして、セレンは迷った。ディア家の名前を出すことは、そのまま別れを意味していた。この身分のせいで、今までどれだけの友達と別れて来ただろう。

 

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コメント

月路さま
こんにちは。

このページの・・
>水底には、きっとガラス細工のような町があって・・
>こんな泉になら、ときどき天馬だって水を飲みに来るだろうな。
静かな夜に、そっと翼を広げて・・

2つのフレーズの美しい響きにため息が出ました。
世紀末の北欧の幻想画を見るようですね。
ときには、少年は 少女よりも美しいかもしれませんねconfident


montiさま、
コメントありがとうございます♪

読みづらい初期の作品の底から、お気に入りの小石を拾い上げていただけたようで、ホッとして、嬉しいです。

女の子は大概おませちゃんであることを考えると、中性的な状態に近づきやすいのは男の子のほうなのかも…?

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