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(海辺にて)(02)

「かあさま・・・この海・・・!」
 海は、見慣れた青緑色ではなかった。海は、嵐の時のように紫にたそがれ――しかし、とても静かだった。
「そうね。海が、とてもきれい」
「・・・うん。でも」
 王子は母親ゆずりのつややかな髪を風に吹かせて、
「でも、かあさま、ぼくはね」
「いつもの青い海のほうが好き?」
「うん」
「かあさまもよ」
 王子は母親を見上げて笑った。王妃も笑顔を返した。
「ゼラルド、月の女神の加護を、受けられるようになった?」
「うん、見ていて」
 王子は神妙な可愛らしい顔をして、ゆっくりと空中に聖句を綴ってみせた。速度は遅かったけれど、完璧な形をしていた。
「がんばったのね。とてもきれいだわ。もう、とうさまにも負けないわね」
「ほんとう?」
 誉められて、王子は嬉しそうだ。
「太陽神の加護について、教わったことはある?」
「ううん。ぼくは月の聖者になるのだもの」
「そのうちに、太陽神の加護についても、誰かに教えてもらってね」
 王妃は砂浜に膝をついてかがむと、王子の小さな両手を取って、しばらく目を閉じていたが、
「いいこと、すこし、じっとしていてね」
そう言って、何か聖句をつぶやいた。そして。
 王妃の体は、徐々に、金色の光に包まれていった。まばゆいばかりの光は、つながっている手と手を伝い、驚いて立ちすくんでいる王子をも包みこんだ。優しくあたたかい光の流れ。――どれほどの時間が経ったものか、王子が我に返ったとき、金色の光は消え去っていた。

 

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