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  • (2017/5/11夜) 春って、あわただしく過ぎて行くものなのですね。でも、ようやく身辺が落ち着いて来たような気がします。

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(夏の訪れ)(05)

 ・・・ルークはこの森のことを、実によく知っていた。何を目印にしているのかセレンには少しもわからなかったが、森のどこに何があり、何が手に入るかを、きちんと把握していて、セレンに案内してくれた。やがて、セレンの服の袖口が、木の枝に引っかかって破れた。セレンはそれを機に、服の汚れや髪のもつれを気にかけるのをやめた。
「じゃ、二個落とすから受け取って」
 木の上から、ルークの陽気な声が聞こえる。それは実をつけたティルの木だった。
「ひとつめ」
 ぱしっ。受け取れた。
「ふたつめ」
 ぱしっ。受け取れた。よかった。
 ルークはするすると木から下りて来て、
「一個はぼくのだ」
 セレンから受け取って、服のすそでキュッキュと磨き、皮ごとかじりつく。セレンのほうはためらいながら、
「ルーク、これ、勝手に食べていいの? ここ、王家の森だよ」
「そうかもしれないけど、ぼくの森。うん、甘い。食べなよ」
 言われて、おそるおそる皮ごとかじってみたティルの実は、甘くて酸っぱくて、でも今までに食べたどの果物よりも美味しく感じられた。
 虫を捕まえたり、鳥を捕まえたり、草笛を作ったり。あちこち駆けまわってから泉に帰りついたときには、もうだいぶ日が傾いていた。仔馬はおとなしく二人の帰りを待っていた。
 ルークは笛を吹いてくれた。楽しげな旋律は耳に新しく、何という曲かと尋ねてみると、ルークの即興だった。今日楽しかったから、と、彼はこともなげに言うのだった。
「じゃ、今日はこれで。時々来てくれたら、また会えるかもしれない・・・それから」
 ルークは真面目な顔をした。どきっとしたセレンへ、ためらいがちに続けた。
「セレンは、ぼくの名前・・・知りたい?」
「・・・え?」

 

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