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赤い小鳥の姫君(06)

 フィリシアが身をかがめて水晶玉をのぞきこむと、長椅子にかけて語り合う国王一家とフルート王子の姿が見え、彼らの話す声までもが聞こえて来た――
 ――フルートが、飲み物のグラスを手に、うんざりしたように話していた。
「さきほどから申し上げているとおり、今は伴侶を決める時ではないのです」
 国王のほうは熱心に、
「そうでもありましょうが、そろそろ、アマラがお気に召しませんか」
「その『そろそろ』というのも、さっきから、ぼくには何のことだかわからない」
「アマラ、もう少し注いでさしあげなさい」
「はい、お父様」
 いそいそと飲み物を注ごうとする、可愛らしく着飾ったアマラに、
「もう結構。お話がそれだけなら、これで失礼させていただきたい」
 そう言ってフルートは席を立とうとする。
「待って! どうぞもう少し召し上がってください、フルートお兄さま」
 フルートはさっと振り向いてアマラを凝視した。
「君も知っていたのか。これの中身を」
「えっ・・・あの・・・」
 フルートは国王一家に向きなおって、グラスをトンとテーブルに置いた。
「リーデベルクの王子に怪しげな薬を盛って、ただで済むとお思いか!」
「い、いや、どうか」
「フルートお兄さま、待って!」
 アマラは割り込むと、無邪気な様子で尋ねた。
「それでは、薬など使わなくても、アマラのことを好きになってくださる?」
「・・・は?」
「他に心に決めた方がいらっしゃらないなら、いいえ、いらっしゃっても、その方ではなく、どうぞアマラのことを好きになってください。アマラのお願いです」
「他に誰かいようといまいと、人の心はそんなふうに簡単に動きません、アマラ姫」
「どなたかいらっしゃるのね。フィリシアお姉さま? そうならお姉さまにもお願いを」
「フィリシアは関係ない」
 ぎょっとしたようにフルートは否定して、大きなため息をひとつつき、言った。
「大切に思う人は国元にいます。その人が自分を愛さなくても、その人が亡くなっても、自分の心はその人のもので、あなたのものではない。・・・こう申し上げれば、おわかりいただけますか」

 

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