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赤い小鳥の姫君(07)

 アマラは目をうるませ、口元を震わせた。
「そんなの、ひどい! わたくしがこうしてお願いしていますのに」
 姫君はさめざめと泣き始めた。フルートは扱いに困っている様子だったが、
「アマラ姫。あなたはとても魅力的な方ですが、世の中には思い通りにならぬこともあるのだと、どうかおわかりください」
と言いきって、結局もっと泣かせてしまっていた――
 ――老婆はくるりと水晶球を回して、覆い布をかけた。
「ほうほう、王子も、不器用なりに、考えたじゃないか」
 老婆は真面目な顔で、水晶球を服の下にしまうと、杖を取ってトンと床を叩いた。
「もう一度小鳥に変えようかと思っていたが、まあしばらく様子を見ようかね。王たちが何と言っているかは知らないが、私はあの子の名付け親で、あの子を大事に思っていることに変わりはないんだよ・・・おや、まあ! あんたが落ち込んでどうするんだい、フィリシア姫」
「え・・・え?」
 フィリシアは戸惑った。だが、胸が痛いのは本当のことだった――フルートが国に恋人を残して来ている、などと、今まで考えてみたこともなかった!
 老婆はしげしげとフィリシアを眺めた。
「まあ、ちょっとくらいは、あんたたち自身について考えてみるのも、悪くないかもしれないね。それであんたが何かに気づけるかどうかは怪しいもんだが」
「はい」
「うん。それじゃ、邪魔したね、フィリシア姫。それと、国王一家の浅はかな企みの数々については、甘えるようだが、どうか許してやっておくれ。旅の無事を祈ってるよ!」
「はい、ありがとうございます」
 フィリシアの言葉が終わるか終らないかのうちに、老婆は目の前からかき消えていた。
 残されたフィリシアはひとり、物思いにふけった。
 フルートには国元に恋人がいる。それはフィリシアの見知らぬ誰かだ。そう、旅の仲間たちは、いずれ旅が終われば、それぞれのいるべき場所に帰っていく。今は確かだと感じられる絆が、やがて失われるときが来る。その気づきが胸に痛いのだと、フィリシアは思った。

 

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