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  • (2017/4/29朝) そして、3月に続いて4月もまた、溶けるようにして消え去って行くのであった…。

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竜王の館(後編)(01)

 竜王の息子の求婚をつらそうに退けたその翌日、フィリシアは、おそらく前の晩に寝付くのが遅かったのだろう、珍しく朝ゆっくりと起きて来たが、それでも、ささやかに食事をとった後は、いつもと変わらない穏やかな様子で、ナミを相手にとりとめのないおしゃべりをしていた。
「私、もっと普通のお洋服が欲しいわ」
と、フィリシアが言っていた。
「もちろん、毎日ご辞退しているドレスが嫌なわけではなくて、あなたの縫ってくれたこのドレスも、とても素敵で気に入っているのだけれど、でも、こんなに華やかな、舞踏会に着て行くようなドレスばかりではなくて、もっと普段着のようなのを作ってもらえないかしら」
「まあ、姫さま」
 ナミは縫物の手を休めて顔を上げ、驚いたようにそう言った。この姫君が何かを欲しいと言ったのは初めてのことだったし、普段着が欲しいという言葉がどういう意味かということくらいは、この侍女にもわかった。
「いけない?」
「とんでもありません」
 ナミは急いで言った。思わず顔をほころばせて、
「すぐにお作りいたします。明日にはもう、それは着心地のいい、動きやすい服を着ていらっしゃいますわ」
「ありがとう」
 フィリシアはにっこりと笑った。
「私もいつまでもお客様ではいられないものね」
 和やかな空気が辺りに漂った・・・と、そのとき。
 廊下が不意に騒がしくなった。それほど近くではなかったが、静かなこの離れでは、向こうで何か起こっているらしいことが、こちらにもよく伝わって来た。
「何かしら」
 フィリシアは不審げにナミの顔を見た。ナミは緊張の色を浮かべて、しばらく耳を澄ませていたが、
「わかりません。姫さまはここにおいでくださいまし、わたくしが見て参ります」
 立ちあがって出て行った。騒ぎはだんだん近づいて来るようだった。
 「偉大なる竜王様」が、ご子息の過ちに気付かれたのかしら――と、フィリシアは何とはなしにそう思った。人間の娘などにうつつを抜かして、と。もしそうなら、しゃんとして、あの方の恥にならないようにしなければ。そうして、地上に帰してもらえればいいのだけれど・・・そうはいかないのでしょうね。一体、「偉大なる竜王様」というのは、どんな方なのかしら。

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