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竜王の館(後編)(04)

「いや、失礼をお許し願いたい。あやつには後でよく言っておきますゆえ」
 竜王は改めてフィリシアに言って、なおもしばらく彼女を見つめていたが、やがてついと視線をそらし、ミルガレーテに向かって、
「それでは、みなさん、すぐにお帰りになりますかな」
「ええ。また船をひとつ、用意していただけますか」
「お待ちになってくださるなら、もてなしもさせるし、風の船も用意させるが」
「来る時も水の船で来ました。水の船で結構です、わたくしが同乗します」
「さようか。では」
 一行はぞろぞろと部屋を出たが、するとそれへ、
「お待ちくださいまし!」
 悲鳴のような声が追いすがって来た。
「後生でございます・・・姫さま!」
 それは、いつのまにか姿を消していたナミだった。ナミは追いかけて来ると、振り返って立ち止まった一行の前にひれ伏して、
「ご無礼をお許しくださいませ。けれども、わたくし・・・わたくしは」
「少しお時間をいただけますか」
 フィリシアはたまらなくなって竜王を振り返った。竜王は重々しくうなずいた。ミルガレーテが歌うような声で、
「それなら、私達は向こうのお部屋に行っているわ。お話が終わったら・・・」
「はい、わたくしがお連れいたします」
 ミルガレーテに答えて、ナミが必死の形相で言った。
「必ずお連れいたします、光の姫さま」
 ミルガレーテはにこりと笑った。フィリシアはナミのそばに寄って、やさしく彼女を助け起こした。
 じゃあ、とミルガレーテはフィリシアに微笑みかけ、他の皆を促して向こうへ去って行った。
「さあ、ナミ」
 あとに二人残されて、フィリシアはナミを立たせると、いつものように穏やかに微笑んでその手を取った。ナミは顔を上げて、
「姫さま・・・」
 言ったまま絶句したが、やがて気を取り直し、そっと手を引くと涙をぬぐった。
「姫さま。わたくし、姫さまに差し上げたいものがあるのです。どうぞ、こちらへ」
 ナミはそう言って、先に立って歩き出した。

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