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  • (2017/4/29朝) そして、3月に続いて4月もまた、溶けるようにして消え去って行くのであった…。

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竜王の館(後編)(06)

 竜王の息子は、いくぶん自嘲的に続けた。
「しかし、姫。あなたが光り姫と親しかったとは知らなかった。私も運が悪いな」
「ミルガレーテのことですのね。あなた方とはどういうお知り合いですの」
「おや、姫は知らないのか」
「あの人は妖精を統べるのだ、としか」
「妖精を・・・そうだな、それだけではなくて」
 竜王の息子は言いかけたが、ふと気づいて、
「だが、それは光り姫に聞けばよい、姫。あまり時間もないし・・・光り姫自身が話していないのなら、私などがどこまで話して良いものかも、私にはわかりかねる。ともかく、あなたと光り姫はたいそう親しいようだから。光り姫は、自分が交渉すると角が立つと見てか、形式上、あの・・・人間、に、口添えするという形で見えたようだが。そう、あの人間は・・・その、姫。あなたとは」
 竜王の息子は口ごもった。
「はい?」
「その・・・いや、何でもない」
 竜王の息子は迷ったあげくに、その質問を飲み込んだ。そして、代わりに、
「姫。それで、ナミが姫をここに連れて来たのは、姫と私を会わせるためだけではなくて、そもそもナミが言いだしたことなのだが、姫にこの」
 軽く手を振ってドレスの一群を示し、
「服を持って帰ってもらおうと思ったのだ」
「え・・・ええっ?」
 フィリシアは思いもかけないことを聞いてびっくりした。竜王の息子は気にかけず、
「手を出して、姫」
 フィリシアが不安げに手を出すと、その手に小さな丸い物を乗せた。ごくありふれた、しかし、こんな水底にはいささか不似合いな気もする――
「――くるみ?」
「そうだ。叩いてごらん、三度」
「叩くって・・・」
「たとえばそこの壁で」
 フィリシアはおそるおそるくるみを壁に打ちつけ、
「もっと強く」
 言われて、もう一度やり直した。すると・・・くるみはぱっくり口を開け、しゅうっと音を立てて中から紫色の煙が立ちのぼり、煙は空中でもやもやと凝り固まって・・・最後にぱさっと音を立てて、フィリシアの足元に、確かに一度は見たことのある、薄紫のレースのドレスが落ちた。

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