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竜王の館(後編)(11)

 次の問題は、ミルガレーテをどのように呼び出すかということだった。セレンは彼女を知らなかったし、フルートとゼラルドは数えるほどしかこの姫に会ったことがなく、ただ、彼女が古代レティカの宝剣に関係が深いということと、新月を過ぎてから満月までの間にしか現れないということを知っているだけだったのだ。
 彼らはともかくも、欠けてゆく月が再びふくらみ始めるのを待った。そのうえで、フルートとゼラルドは、以前自分たちが剣を合わせたときのことを覚えていたので試してみたが、二人が敵対していないためだろう、呼び出す効果はないようだった。しかし、なにしろ手がかりは黄金の剣だけで、フルートは試みに剣で自分の手を傷つけ・・・そして今度こそどんぴしゃり、動転したミルガレーテを呼び出すのに成功した。剣は持ち主の血に反応して異変を伝えたのだ。
「それで、セレンにももう紹介したんだ。呆然として見とれていたよ!」
 フルートが笑いながら言う横で、ミルガレーテは頬を染めている。
「え? だって、剣の持ち主にしか・・・」
「うん、それがね。前に話したことがあるだろう、セレンが抜けない剣を持っていることを。使っていたほうの剣をこの前だめにしてしまったから、新しいのを手に入れるまで身に付けていたらしいのだけれど、それが抜けるようになったんだ。やはり、ぼく達と同じ、ミルガレーテの剣だった」
「どうして今まで抜けなかったのかしら?」
「私にもわからないの」
と、ミルガレーテが応じた。
「あの剣は人を選ぶから、これまであの人が何か条件に合わなかったのかもしれないけれど。でも・・・よくわからないわ」
「単純に、その時が来た、ということじゃないのか」
 フルートは言いながら、馬車の窓からちらりと外を見やった。
「そろそろ着くよ。大きなところに泊まり替えているから、しばらくはゆっくりできると思う」
「ええ。ありがとう」
 フィリシアは感謝をこめて言った。
「二人とも、今日は本当にありがとう」
「何を改まって」
 フルートが笑った。馬車が止まって、御者がドアを開けに来てくれる。
「じゃあね、フィリシア」
 そのドアが開く前に、ミルガレーテはささやいて、ふっと消えてしまった。もとから御者は、ミルガレーテについては馬車に乗るところも見てはいない。二人を降ろし、約束の代金を弾んでもらうと、御者は丁寧に礼を述べ、また御者台に座って、馬車を走らせて行ってしまった。
 フルートとフィリシアは何となく目を見交わして、何となく微笑みあい、仲良く並んで建物の玄関に歩いて行った。

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