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竜王の館(後編)(12)

 馬車の音を聞いたらしく、玄関口に、セレンが迎えに出てくれていた。フルートには軽くうなずいただけだったが、フィリシアには優しい声をかけてくれる。
「やあ、お帰り。元気そうだね、よかった」
「心配をかけてごめんなさい」
「とんでもない。君さえ無事ならいいんだ」
 にっこり微笑んで、
「そのドレス、とても似合っているね。フルート、君もそう思わない?」
「え、ああ、うん」
 フルートは曖昧な返事をした。セレンはちらりとフルートをにらんだが、
「部屋の案内は任せるよ、フルート」
「ああ。おいで、フィリシア。君の部屋は取っておいたから」
 階段を上っていく二人を見送って、セレンは階下に残り、部屋と日にちの確認をするために帳場に足を向けた。
 さて、フルートは、フィリシアを部屋に送り届けて、ドアの前で、なるほど華やかな彼女の服を見ながら、気にかかっていたことを尋ねずにはいられなかった。
「フィリシア。君をさらった竜王の息子は、ずいぶん君を大切にしていたんだね」
「・・・ええ」
 フィリシアはためらいながら答えた。フルートは続けて、
「もしかして、君は求婚されて――?」
「・・・ええ」
「やはりね」
 フルートは納得の行った顔をした。そして、フィリシアがいつのまにかうつむいてしまっていることには気づかずに、軽口でもたたくように、
「どうして承諾しなかったんだい」
 ・・・言ってしまってから後悔したが遅かった。はっとフルートを見上げたフィリシアの、青い瞳がみるみるうちに潤んで来たかと思うと、涙がぽろぽろとそのほおを伝い始めたのだ。
「フィリシア」
 あわてて謝ろうとしたフルートをフィリシアが制した。顔を伏せ、
「あなたが悪いのではないわ。何でもないの」
「でも君」
「ごめんなさい・・・失礼させて。気分がすぐれないの」
 もちろん、それを止めることなどできはしなかった。フィリシアは部屋に入ってしまい、フルートは自分の部屋に戻り――が、すぐに途方に暮れてしまった。以前、国境近くのごたごたで彼女を泣かせてしまった時は、彼自身が軽い怪我を負ったことで自然に紛れたけれど、今度は・・・。
 それで、彼は仕方なく、相談しようとセレンの部屋を訪ねて行った。

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