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竜王の館(後編)(13)

 セレンはもう部屋に戻っており、ドアを開けてフルートの顔を見るや、何か仕出かしたと察して、黙って中に入れてくれた。が、話を聞き終わると、
「まったく何ていうばかなことを・・・」
 そう言ったまま、あきれかえってしばらくは二の句が継げない。フルートが不機嫌に、しかし反論のしようもなく黙っていると、そのうちやっと言葉を継いだが、
「本当に、どうしてそこまで鈍感になれるんだか」
「それは聞き飽きてる」
 フルートは憂鬱そうに言って、
「どうすればいいと思う?」
「どうって・・・謝りに行けよ。君が悪い」
「何を言えばいい?」
「少しは自分で考えるんだね」
 セレンは言ったが、テーブルの上に伏せてあったグラスを一つ取り、フルートに飲み物を注いでやった。
「まあ、今すぐ行けとは言わないから。それで・・・一体また何だって、彼女にそんなことを訊く気になったんだって」
 フルートはほっとしながらグラスを受け取った。素直に、
「彼、と、目が合ったんだ――つまり、彼女をさらった、竜王の息子だけれど」
 言葉を探しながら、ゆっくりと話し始める。
「とても奇妙な感じだった。静かだけれど強い視線で・・・ちょうど、初めて目にする敵を見るような・・・それにまるで、ぼくも彼を敵視しなければならないと言われているような――そんな感じがした。それがどういうことなのか、よくわからなかったけれど・・・でも彼が、フィリシアを手放したくなかったのだということだけは、とてもよくわかった。ずいぶん手厚くもてなしていたみたいだし・・・それで、思ったんだ。彼が、フィリシアに、とても、その、好意を寄せていて・・・もしかしたら、結婚の申し込みくらい、したのではないだろうか、とね」
「で? フィリシアのほうはどうなのか、も確かめたかった?」
「うん」
 セレンは、どうしたものだろう、という顔をしてフルートを見ていたが、
「そうだな・・・君が自分自身のことにも鈍感なことに疑いはないし。まあ、そのくらいで上出来と言うべきなんだろうな」
「・・・何だって?」
 フルートは怪訝な顔をしたが、セレンはかまわずに、
「謝る言葉をしばらく考えていればいい。ぼくは少し用があるから外すけれど、すぐ戻るから待っていて」
 フルートがため息をつきながら椅子の背に沈みこむのを確認し、セレンは部屋を出る。
 行先はもちろん決まっている。フルートにまかせておいたら、どんなことになるか知れたものではない。

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