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(仲たがい)(02)

 そうして、あくる日、セレンは気が重かった。あんな別れ方をして、今日ルークに会ったら、どんな顔で何を言えばいいだろう。
 家を抜け出し、街の中、前日と同じ場所で待っていると、そのうちにルークがやって来て――そのまま、知らん顔をして通り過ぎた。一瞬、何が起こったのか、セレンにはわからなかった。
「ルーク」
 追いすがって呼びかけて、初めてわかった。振り返ってセレンを見たルークの青い瞳は、鋭く尖っていた。
「ぼくなんかに、何か用?」
 その言葉とともに放たれた稲妻のような怒りに打たれて、セレンは言葉を失った。
 ルークは怒っていた。たぶん、セレンが前日に聞く耳を持たなかったから。ルークのことを「君なんか」と貶めたから。ルークの呼ぶ声を無視して走り去ったから。
 動けなくなったセレンを一瞥すると、ルークは再び向きを変え、すたすたと歩き去った。セレンは遅れて後を追おうとしたが、ルークのほうは素早く知り合いの子を見つけて駆け寄っていた。その子もかつて、セレンを仲間外れにした子どもだったし、ルークには友達なのだった。
 セレンは近づくことができなかった。来たときよりもさらに重い足取りで、セレンは屋敷に帰った。

 そして、次の日も、その次の日も、ルークは来なかった。あるいは、ルークは回り道をして、セレンに会わないように街に出ているのかもしれなかった。
 ルークに嫌われたのだろうか――。そう思うと、血の気の引くような思いがした。いてもたってもいられずに、セレンは街の中をうろうろと歩き回っては、気落ちして家に戻った。
 胸がふさがって苦しかった。食べ物もろくに喉を通らない。枕は涙で濡れるようになった。数日たつと、セレンは魂を失った人のように無表情になり、もはや外にすら出なくなった。どうせ、ルークはもう会いに来てはくれないのだ。街にいても知らん顔で通り過ぎるのだ。それを、わざわざ確かめに行ってどうするというのだ。
(それとも、ぜんぶ、夢だったのだろうか・・・)
 机の上に、読みもしない本を広げて、セレンはぼんやりと考える。
 セレンの様子が尋常ではないので、教師たちの授業は中止されている。
(夢なら、夢だと教えてくれたら良かったのに。そうしたらぼくは、二度と目覚めないようにしたし、でなければ夢を見る前に目を開けてしまったのに)
 慣れ親しんだ孤独が、ひっそりと自分に寄り添っているのを感じる。ルークに会うまでは、この冷たい孤独が、セレンの心を傷つかぬように守ってくれていたのだ。

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