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(月の娘)(02)

少女はこちらに気づくと、先に挨拶を寄越した。
「こんばんは」
「こんばんは。君はどこのお嬢さん?」
ゼラルドがそう訊いたのは、少女の身なりがきちんとしていて、良い家の令嬢であろうと思われたからだった。
少女は笑った。美しい少女だった。長い黒髪はいったん結い上げられたあとに垂らされている。年はゼラルドより二つ三つ下だろうか。
「わたし? わたしは、月の娘。おにいさまは?」
「では、ぼくは太陽の息子だ」
言ってから、大仰な言葉の響きを恥じたが、あながち間違いではないのだった。亡き母は生前、太陽の王妃と呼ばれていたのだから。
「すてきだわ。でも、わたし、ふざけているのではないの。ほら」
少女は指先で、すばやく何かの文字を綴った。すぐに、一抱えもある大きな月のような光球が生まれて、少女の黒髪と繊細な顔立ちを明るく照らし出す。
ゼラルドは驚いていた。満月の晩とはいえ、少女はこの年で、すでに強力な<月の力>を使いこなしている。
「ね。今日は満月。わたし、うれしくて月から下りて来たの」
「ぼくもふざけてはいないよ。ほら」
ゼラルドは同じように指先で聖句を綴った。少女の抱えていた月が、徐々に赤みを帯び、燃えさかる太陽のようになる。
するとどうやら、他人の力への干渉は、まだ少女の知らぬ領域らしかった。
「すごいわ!」
少女は目を丸くして驚いた。その無邪気な驚きぶりは、好ましいものだった。
「わたしね、今度、新しいお兄様ができるの。あなたのような人だったらいいのに」
「光栄だ。でも、今日はもう夜も遅いから」
「そうね・・・またお会いできたらいいわね」
「そうだね。気をつけてお帰り」

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コメント

はじめまして。いつも楽しく拝見しています。
また時間を見つけて、遊びに来させて頂きますね!

コメントありがとうございます♪
「いつも」って、なんて素敵な響き!
最近すこし凹んでいたので、嬉しい励ましです。
今後もお気軽にいらしてくださいねhappy01

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