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(月の娘)(03)

国王レイラームの再婚相手は、病弱で王位を継げなかった兄王子が、ひっそりと生涯を閉じたことにより残されていた妻だった。
兄王子とその妻との間には、ゼラルドより遅く生まれた姫君が一人あり、世が世なら第一王位継承権を持っていたはずのその姫君は、ゼラルドの義理の妹になることになった。
今まで社交の場に出てくることのなかったその少女を、初めて紹介されたとき、ゼラルドは驚いた。それは、あの晩の「月の娘」だった。
公の場ゆえ、白い正装をふわりと着て、装飾品を身にまとい、慎み深く目を伏せていた姫君は、おもてを上げてゼラルドを認めるや、顔を輝かせた。
「おにいさま!」
・・・ああ、この子がぼくの妹になるのか――
――そう思ったとき、再会の喜びもありながら、自分が失望を感じてもいることに、ゼラルドは戸惑った。どうやら彼は、「月の娘」が正体不明のままであることを望んでいたらしかった。あるいはせめて、親族以外の誰かであるようにと。
複雑な思いを振り払い、にこと微笑んでみせると、姫君は、さあっと頬を染めて、もじもじとうつむいた。ゼラルドは居心地の悪い思いをした。
あの月夜とは、何かが違ってしまっていた。
目の前にいるのは、もはや「月の娘」ではなく。
王女ユリア。それが、姫君の名前なのだった。
そして、まだ誰も。
ユリア本人さえも。
これから宮廷に訪れる悲劇を知らなかったのだった。

(完)

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コメント

どうもおはようございます、雪村さん。芝臣です。

「月の娘」、読了しました。

陳腐な言い草ですが、ロマンティックかつドラマティックな予感を感じさせるエピソードですね。
そして、それは私もまた作品作りに関して、目指していることでもあります。
特に印象深かったのは“月の娘”よりも、冒頭のゼラルドと父王との短いやりとりで、そこに凝縮された感情のうねりは、親子の会話でありながら、まるで他人であるかのように冷たく、一気に物語に引き込む力がありました。

そして、王女ユリアのもたらす悲劇とは? おそらくゼラルドが故郷を離れざるをえなくなるほどの問題
なのですが、実に興味深いです。彼の過去についてもよく知りたいのですが、他にはどんなエピソードがあるのか、よければ教えていただけるとありがたいですね。

ともあれ、よいお話でした。ありがとうございました。

どうも失礼しました。
それでは、また。

芝臣さん、こんにちは。雪村です。
コメントありがとうございます♪

「月の娘」から約1年後のエピソードが「凶宴」になります。
ちょっとだけBL要素が入っている・・・のかなあ。私はあまり気にならないのですが。

そのあと、本当なら、まさに国を出て来るときの話があってしかるべきですが、今は欠けています。
そして、本編登場時のお話が「訪問者」となります(ここでは過去についてはほとんど触れていません)。

今のところはこんな感じです。よろしくお願いいたします。


正体不明のままを望む

ですか……。
なんだかすごく考えさせていただきました(´・_・`)
気持ちは……わかる……の、かも。

不思議なものや、知らないものへの好奇心……というか、、、こういう気持ちを表すときの言葉を、私は持ち合わせていないようです(苦笑)
でも、このお話から確かに『感じ』ました。

素敵。

うまく言いまとめられないけど、この言葉が一番しっくりきました(*´ー`*)

ひろさん、
コメントありがとうございます♪

ああ、ひろさんに「素敵」と言ってもらえるお話があった…!
よかった…!

貴重なお時間を使っていただいているので、合うお話がありますようにとお祈りしていました。
とらえどころのないものを、すくい取ってお話にできているなら嬉しいと思います。
とらえどころのないものの感想をまとめてくださって、どうもありがとうございます!

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