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竜王の館(後編)(14)

 そういうわけで、セレンがフィリシアの部屋まで来てノックをすると、
「どなた?」
と、迷うような声が返って来た。それへ、軽い口調で、
「ぼくだよ、お姫様。ちょっといいかな」
 呼びかけると、中では少しためらうような気配があり、ややあって、
「どうぞ」
と返事があった。セレンはそっと中に入った。
 フィリシアは、少し目が赤い。たぶんそのために、セレンと会うのをためらったのだろう。
「聞いたよ。フルートが何かものすごくばかなことを言ったんだって」
 セレンは何気ない調子で切り出した。
「ごめんね、人の気持ちなんか全然わからない奴でさ」
「まあ」
 フィリシアは、この、友を友とも思わないようなセレンの言い方に、多少こちらが戸惑ったようだった。
「そんなことないわ。私が勝手に取り乱したのよ」
「あんな奴、かばうことはないよ。ほんと、繊細さのかけらもないんだから」
 セレンは言ってから、いたずらっぽく笑って、
「そのうちにあいつが君の所にプロポーズしに行ったら、今日のお返しに振ってしまっていいからね」
「あの人が来たらね」
 フィリシアは冗談だと受け止めて、くすくす笑った。セレンは内心、まったく前途多難な二人だと思ったが、調子を合わせ、いかにも罪の無さそうな笑顔を浮かべて見せながら、
「ぼくが行かせるよ。だから、他の誰かにプロポーズされても、とりあえず、あいつが行くまでは待っていてくれない?」
 フィリシアは何と言ったものか迷ったようだった。
「・・・だって、あの人が来なかったら、それじゃあ私、おばあさんになってしまうわ」
「ぼくが絶対に行かせるから」
 セレンはさりげなく強引に言った。
「それを振ったあとは誰のお嫁さんになってもいいから。あの王子様にはそれくらいさせないと、ぼくの気が済まないよ」
「でも、私はもう気にしていないわ」
 フィリシアはいくぶんおろおろして来ていた。

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