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化身の魔女(08)

 魔女がひょっとしたら拍子抜けしたかもしれないことに、旅人達は慌てず騒がず、一度の説明ですっかり納得した。ルークとセレンはそれぞれ馬から下りて、互いにそれに気付き、互いに嫌な顔をして見つめあった。
「・・・友達がいのない奴だな、セレン」
と、ルークが先に言った。
「何を。言い出したのは君じゃないか」
と、セレン。二人はしばらく譲らずににらみ合っていたが、やがてルークが肩をすくめて、
「コインで決めよう」
 提案すると、金貨を一枚投げあげた。くるくると回りながら落ちて来た金貨を、さっと握ってこぶしを上に向ける。
「表」
とセレンが応じて、ルークは手を開き、
「ちぇっ」
と軽く舌打ちした。表。
 セレンはにこっとして魔女の方に進み出た。念を押して、
「本当に、魔法を見破ったら帰してもらえるんだね?」
「保証するわ」
 魔女は嘲笑に近い笑みを浮かべながら、それでもはっきりと請け合った。
「そう。では、ぼくがあなたに差し出されましたよ」
「賭けに勝ったのに? 変な話ね」
 セレンは微笑して、
「探すよりも探してもらうほうが楽だからね」
「事態を把握してるとは思えないわ。愚かで幸せな人たちなのね」
「ではどうすれば満足だったんです?」
 セレンの言葉はとても柔らかで優しかったが、魔女は皮肉に気付いた。笑みを消して、じっとセレンを見つめ、やがて、
「いいわ」
と言って、さっと杖を振った――セレンの姿が消えた。
 魔女は無表情にルークとキートに向き直った。
「それで、あなた達は彼を取り戻したいの」
 ルークは不機嫌にうなずき、キートも懸命にうなずいた。魔女は地面に杖で一本の線を引き、そして、気のせいかさっきよりも邪悪さの増したように見える笑顔で、二人を振り返って言った。
「じゃあ、来てちょうだい」
 歩き出した魔女の後を追って二人は線を越え、ゆらっと周りの風景が揺らいだ――

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