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化身の魔女(17)

 それでも、すべての囚われ人を返すと言った魔女の言葉は嘘ではなかった。森はだんだんに形を崩して多くの人の姿に戻りつつあり、三人は馬のそばに立って、その様子を眺めながらくつろいでいた。
「だいたい、俺に君がわからないなんて思うほうがばかなんだ」
 ルークは上機嫌だった。セレンは、自分が風に変えられていたと聞き、驚いた様子だった――彼にはその間の記憶はなかったのだ。そして、ルークの言うことは全くその通りだと、キートも今ではしみじみわかっていた――何しろルークは「風を見破った」のだから。けれども、キートは、それとは別に、自分が最初に彼らに何をしようとしていたのかということも、よくわかっていた。
「ごめんな、兄ちゃんたち」
 会話の合間に、キートは思い切って言った。
「え?」
 二人は二人ともキートを見つめ、キートは赤くなった。
「そのう、俺のせいで迷惑かけてさ」
「迷惑? 何が?」
 ルークが不思議そうに尋ねる。セレンのほうは微笑を浮かべながら、ちょっと首をかしげてキートを見ている。キートはどぎまぎしながら、心の中で、あの時のルークの愕然とした表情、それが今ではただの幻であることを、何よりも嬉しく思った――たとえ幻でしかありえなかったとしても。口に出しては、こう言った。
「迷惑っていうかさ。こんな厄介なことに巻き込んじゃったのは、俺が悪かったんだからさ」
「そんなことはないだろ」
と、ルークが言った。キートは言いなおして、
「うん、でも、けんかした俺と友達が、ばかだったからさ。そうだろ」
 ルークはあっという顔をして、それから、ちょっと困った顔をした。セレンが少し意地の悪い表情で、説明を求めるようにルークを見ている。
「いや、俺はただ」
と、ルークはぶっきらぼうにセレンに弁解して、
「こいつの友達っていうのがずいぶんわがままで、それでこいつがけんかしたって言うからさ、それは二人ともばかだって言ったんだ」
 ずいぶん簡略で無愛想な説明だったが、セレンはおかしそうな顔をした。
「ああ、それは君」
 キートに向かって、
「わがままなんか気にするなってことだよ。だって、そんなことを気にしていたら」
くすくすと笑いだした。
「ぼくはルークと付き合ってなんかいられないからね」
 キートはルークを見た。にらまれて、思わず笑いがこみあげた。
「笑ってないで、ほら、見ろよ」
 ルークは腹立たしそうに言って指差した。
「おまえの友達だって、もう見つけられるんじゃないのか」
「あ」
 キートにしても、それまでちらちらと人の群れを見てはいたのだが、ルークが指差した、まさにこのとき、彼は確かに友達の姿を見つけた。

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