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化身の魔女(18)

「兄ちゃんたちさ」
 キートはそわそわし始めて、
「道案内のこと、もういいだろ?」
「ああ。なんだ、一緒に行かないのか」
「うん、先に行っちゃっていいよ」
「そうか。じゃあな」
 ルークは機嫌を直しているが、あっさりとそう言った。キートは少し名残惜しそうな顔を見せたが、
「うん。じゃあね」
 きびすを返しかけ、
「あっ、ちょっと待て」
 ルークに呼びとめられて振り返った。
「え、何?」
「ここまでの代金だから」
 ルークは言いながらきょろきょろと周りを見回し、セレンのスカーフに目を止めて、これ幸いとばかりに、
「これ持ってけよ」
「ルーク」
 抗議しようとするセレンから、無理やりスカーフ留めを外してしまった。
「ほら、キート」
「だって」
 キートが困ってセレンを見たときには、しかし、セレンは早くも諦め顔になって苦笑していた。
「いいよ。持ってお行きよ。そのかわり、それは君の宝物にして、大事にしまっておいてほしいな」
「・・・ありがとう」
 キートはそのスカーフ留め――美しく七色に光っていた――を受け取って、大切に懐にしまった。それから、二人を見比べて、
「いろいろと、ほんとにありがとう」
と言い、しばらく迷ったのち、思い切って言った。
「ルーク」
「ん?」
「俺さ。俺、あんたみたいになりたい」
 それは、真剣な言葉だった。ほんの一瞬、ルークは真顔でキートを見つめたが、すぐに、にやっと笑って言った。
「がんばれよ」
 キートの顔が輝いた。大きくうなずいた。
「うん!」
「じゃあな」
 ルークはにこりとしてそう言うと、
「セレン、行こうぜ」
 トンと地を蹴って馬にまたがった。馬の首を巡らすと、もう振り返らない。あっというまに、彼の姿は地面の線を越えて消えてしまった。
「さよなら、キート。君も早く行きなよ」
 セレンもすぐに馬上の人となり、馬の首を巡らせながら、そう言ってくれる。彼が向こうを向いたその一瞬、キートはその、スカーフを外した肩のところに、貴族の印、金色の細いきらめきを見たように思ったが、確かめるすべはなく・・・ことによると、それはあの長い金の髪が見せた錯覚かもしれなかった。
 振り向くと、魔法の解けた人々は、それぞれに我に返って、なんとなく察したという様子で、ぞろぞろとこちらに歩いて来ていた。一人だけ、駆けて来るのは彼の友達だった。
「こっちこっち!」
 キートは叫んで手を振った。

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