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(光り姫)(01)

 幼いころに、静養のための城で、一度だけ妖精の姿を見たことを、フィリシア姫はその後もちゃんと覚えていた。
 妖精たちが、月の光で作った首飾りを自分にかけてくれたことも、その結果、自分の病が瞬時に癒えたことも、とうてい忘れることのできない強烈な体験だった。
 城には、静養の必要がなくなったあともよく訪れたが、あれ以来、妖精の姿を見ることはなく、月日は流れ、青い髪の姫君は幼さを残しながらも、次第に娘らしく成長していた。

 その夏も、フィリシアは静養の城に滞在していた。
 ある夜、夢の中で、妖精たちの声を聞いたように思った。
「お久しぶりです、フィリシアさま」
「時が満ちました、フィリシアさま」
「明日の午後、お迎えにあがります」
「ミルクをひと匙、はちみつをひと匙、ワインをひと匙用意してお待ちくださいね」
 翌朝、目を覚ましたフィリシアは、言われたとおり、ミルクをひと匙、はちみつをひと匙、ワインをひと匙用意した。これがただの夢ではないと信じて。
 いよいよ午後になった。
 突然、ぱたりと周りの時間が止まったかのように、特別に静かな時間が訪れた。
 フィリシアがどきどきしながら待っていると、部屋の中で、小さな声がした。
「フィリシアさま、私達の姿が見えますか」
 声のするあたりを眺めてから、ぐるりと部屋を見回して、もう一度よくよく見たあとに、フィリシアは悲しそうに言った。
「いいえ、見えないわ」
「悲しまないで。もうそういうお年なのです」
「でも」
「大丈夫。ほんの少しの間、魔法の力で見えるようにします。このミルクとはちみつとワインに・・・」
 その言葉とともに、何かの滴が垂らされたように、それぞれの液体が揺れた。
「・・・さあ、これで良し。全部舐めてくださいな」
 フィリシアは言われたとおりに、ミルクとはちみつとワインを舐めた。すると、部屋の中にぼんやりと漂う、いくつかの小さな人影を見分けられるようになった。透き通った羽を震わせ、ふわふわと浮いている。
「ああ、妖精さん! 見えるわ!」
「よかった、魔法が効きましたね。では、参りましょう」
「どこへ?」
「まずは、湖へ」

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