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三つの果実(01)

 遠く聖泉<真実の鏡>を目指す一行は、あるとき、小さな泉のほとりに三本の樹の立ち並ぶところを通りかかった。
「ここで一休みしよう」
と、フルート王子が言って、四人は馬を下り、馬に水を飲ませ、自分達も一息入れた。
 三本の樹には、よく見ると、人の手の届くところに果実がなっていた。それぞれ異なる種類で、一本目の樹には白い梨のような果実。二本目の樹には黄色いオレンジのような果実。三本目の樹には黒い杏のような果実が、おいしそうに実っているのだった。
 四人はめいめい、樹から果物をもいだ。ところが、フルートが白い梨にナイフを当てると、梨はひとりでに割れて、中から白い小鳥が飛び出して来た。何かしきりにさえずる小鳥の声を聞いて、フィリシア姫が驚いたように、
「北方の言葉だわ。水を飲ませてほしいと言っているみたい」
と通訳した。フルートは小鳥を水辺に連れて行って、小鳥が水を飲むのにまかせた。
 次にフルートがオレンジにナイフを当てると、これもまたひとりでに割れて、中から黄色い小鳥が飛び出して来た。さきほどとは異なる響きでしきりにさえずる小鳥の声を聞いて、セレンが、
「西方の言葉だね。水を飲ませてほしいと言っているよ」
と通訳した。フルートは小鳥を水辺に連れて行って、小鳥が水を飲むのにまかせた。
 最後にフルートが杏にナイフを当てると、みたび果物はひとりでに割れて、中から黒い小鳥が飛び出して来た。前の二羽とは異なる響きでしきりにさえずる小鳥の声を聞いて、ゼラルドが、
「南方の言葉だ。水を飲ませてほしいと言っている」
と通訳した。フルートは小鳥を水辺に連れて行って、小鳥が水を飲むのにまかせた。
 フルートの一部始終を見ていた三人は、自分達のもいだ果物からも小鳥が出るのかと用心しながらナイフを当ててみたが、そんなことはなく、すべて中身の詰まった本物の果物だった。また、フルートが疑心暗鬼になりながら、樹から新しく果物をもいでみると、これも今度は普通に中身が詰まっていた。一行は珍しい果物を食べながら休憩した。
 すると、水を飲んでいた小鳥たちに変化が訪れた。三羽の小鳥は、もやもやと姿を変え、いつしか三人の姫君になった。白い小鳥は、雪色の肌に白銀の髪を持つ姫君に。黄色い小鳥は、バター色の肌に黄金の髪を持つ姫君に。黒い小鳥は、黒檀色の肌に黒曜の髪を持つ姫君に。小鳥たちの出て来た果物の皮も、地べたに落ちていたのが、むくむくと姿を変え、梨の皮は白い馬に、オレンジの皮は黄色い馬に、杏の皮は黒い馬になった。
 三人の姫君は、三人とも、いずれ劣らぬ美しい姫君だった。聞き出したところによると、どこかの魔法使いが、いたずらに魔法をかけて放置したものらしい。これからどうするのか尋ねてみると、三人の姫君は、自分の国に帰るのではなく、この国の王に会いたいと話した。王には三人の息子があり、運が良ければ自分達を妃として迎えてくれるのではないか、という。 

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