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(光り姫)(03)

 フィリシアは、導かれるまま、剣を鞘に収めて手に持ち、小舟に戻った。
 小舟は再び、ひとりでに動き出し、さっきとは違う岸辺に寄りついた。
 岸辺には白い花がたくさん咲いていて、そこに、編みかけの花冠が置いてあるのがフィリシアの目に止まった。
 そっと拾い上げたフィリシアに、妖精たちは微笑んだ。
「光り姫さまが編んでいたのだと思います」
「新しいご友人のために。初めてのご友人のために」
「剣を抜いて、ここに置いてください、フィリシアさま」
 フィリシアが言われたとおりにすると、妖精たちは呼ばわった。
「光り姫さま。光り姫さま!」
「どうぞおいでください」
「フィリシアさまがお待ちですよ」
 すると、背後でさらさらと時の砂が流れるような感覚があって、フィリシアははっとして振り向いた。
 が、誰もいなかった。ぐるりと見回したが、やっぱり誰もいなかった。
 妖精たちを見ると、困ったような顔をしていた。
「いま、一瞬おいでになったのですが」
「緊張して逃げてしまわれました」
「どうしましょう、きっと近くにいらっしゃると思うのですが」
「・・・探しましょう!」
 フィリシアは言った。光り姫に会ってみたい気持ちが強くなっていた。妖精たちから慕われている、やさしい光り姫。緊張して逃げてしまった光り姫。花冠を編んでくれていた光り姫に。
 フィリシアと妖精たちは、呼ばわりながら岸辺を歩いた。
「光り姫さま。光り姫さま」
「どうか出て来てください」
「フィリシアさまがお待ちですよ」
「そうよ。私に花冠、編んでくださいな」
 歩いているうちに、小さな洞窟があった。その陰から、白いドレスの裾がのぞいているのを、フィリシアが見つけた。
 妖精たちに、シーッと言って、フィリシアは話しかけた。
「こんにちは、光り姫さま。フィリシアと申します。私」
 どきどきしながら、息を吸って、相手に届けと想いをこめて言った。
「私、あなたのお友達になりに来ました!」
 白いドレスの裾が、ふわっと揺れた。それから・・・おずおずと、本当におずおずと、岩陰から、その人が出て来た。白い肌、金色の髪、金色の瞳、薔薇色の唇。光り姫の名の通り、輝くような美しさだった。フィリシアよりいくつか年上に見えるが、ひどく緊張しているようだ。その唇が開いて、かすかに震える声が告げた。
「こんにちは。私の名はミルガレーテ。お会いできて嬉しいです」
 それが、フィリシアと、<光り姫>ミルガレーテとの出会いだった。

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