2017年10月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

ひとこと通信欄

  • (2017/10/15夜)ご心配おかけして申し訳ありません。疲れて色々おっくうになっていますが、ごはんと睡眠はちゃんとしていますので、ご安心ください。

ランキング参加中!

  • 記事がお気に召したらクリックしていただけると、作者の励みになります。(1日1回まで)

    (投票せずに順位を確認したい方はこちらから。)

読者アンケート実施中♪

  • 所要時間は5分くらい?
    個人情報の入力はありません。
    よろしくお願いいたします。
    こちらから。

SF「夜景都市」(未完)

最近のトラックバック

プロフィール

  • 城

    雪村月路
    snow.moon.rainbow☆gmail.com
    (☆を@に変えてください)
    Twitter: @ariadne_maze
    ブログ更新量について
    愛読書100冊

    うちの子同盟 うちの子同盟

無料ブログはココログ

« (凶宴)(03) | トップページ | 作者より:(凶宴) »

(凶宴)(04)

「・・・お許しください」
 自らの不敬におののきつつ、レムルスは深く頭を垂れ、正直に言った。
「身の程知らずにも、殿下を試そうといたしました」
「そうか」
 王子はふっと息を吐いた。静かに、気を悪くした様子もなく、
「どうやら私は、そなたを怒らせてしまったらしい。すまない」
「殿下のお役に立つことが、わたくしの喜びでございますゆえ」
 思ってもみなかった言葉が、レムルスの口をついて出た。レムルスは自分でも驚いたが、口先ばかりの追従を言ったつもりもなかった。
「そうか」
と、王子はもう一度言った。レムルスは下を向いていたので王子の表情を見ることはできなかったが、感謝のこもった、やわらかな声だった。
 その声は、しかし、すぐにまたいつもの冷淡さを取り戻した。
「ともかく、今日は世話になった。金品を贈ると怒らせそうだから、言葉のみだが――感謝している。ありがとう」
 そして、レムルスの目の前で、王子は何事かつぶやいて、その足元がポウッと光ったかと思うと、次の瞬間、王子はもうそこにはいなかったのだった。

 ・・・ゼラルドは自室に帰ると、椅子にかけて、ぼんやりと宴の出来事を思い返した。
 駆け寄ったときには既に絶命していた貴族。ユリアの仕業に間違いなかった。今までユリアは、人を呪いはしても絶命させることはなかったのに。
 そして、あのとき聞こえて来た予言の声。<太陽の力>による予言は、忘れたころに突然訪れて、ひどく消耗させられる。
≪其は最初のひとり。これより先、あまたの血の流るるを見よ≫
≪汝が道を選べ。犠牲の上に立つか。愛しきを弑するか。生ける屍となるか。それとも≫
 予言はそこまでで途切れていた。ゼラルドは漠然と未来を予感して身震いした。「最初のひとり」とは、「あまたの血」とは、一体どれだけの人が死ぬことになるというのだ。
 自分が好意を見せれば、妹の嫉妬により呪いが発動する。自分が嫌悪を見せれば、妹の怒りにより呪いが発動する。そうして、自分のせいで多くの人が死んでいくというのか。
≪汝が道を選べ。犠牲の上に立つか。愛しきを弑するか。生ける屍となるか。それとも≫
 ・・・それとも?

(完)

人気ブログランキングへ

« (凶宴)(03) | トップページ | 作者より:(凶宴) »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/568827/51978118

この記事へのトラックバック一覧です: (凶宴)(04):

« (凶宴)(03) | トップページ | 作者より:(凶宴) »