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  • (2017/4/29朝) そして、3月に続いて4月もまた、溶けるようにして消え去って行くのであった…。

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(光り姫)(04)

 今度は逃げませんように、と思いながら、フィリシアはにっこり笑って手を差し出した。
「手、つないで行きましょう、ミルガレーテ」
 ミルガレーテはそうっと岩陰から離れて、フィリシアの手を取った。夏だというのに、指先のひんやりと冷えた手だった。
「さっき見たわ。私に花冠、編んでくださるの?」
 尋ねてみると、こくんとうなずく。見た目はフィリシアより大人で背も高いのに、まるでフィリシアのほうが年上であるかのようだ。二人は手をつないだまま、白い花の咲く岸辺まで戻って来た。妖精たちも一緒だ。
 ミルガレーテはフィリシアの手を離して、ふわりと座った。編みかけの花冠を手にとって、続きを編み始める。
 フィリシアも、隣に座って、新しい花冠を編み始めた。ミルガレーテのために。
「できたわ、フィリシア」
「ちょっと待って・・・うん、私もできたわ」
 二人はお互いに花冠をかぶせあった。目が合って、ミルガレーテは恥ずかしそうに微笑んだ。ああ良かった、笑ってくれた、とフィリシアは思う。なんて可愛らしく笑うお姫さまなのかしら。
「よく似合ってるわ、フィリシア」
「あなたもね、ミルガレーテ」
 二人は少し打ちとけた気持ちになって、ぽつりぽつりとおしゃべりをした。それでフィリシアは、ミルガレーテについて、いくつかのことを知ることができた。
 ミルガレーテが、古代レティカ王国の、最後の王の一人娘だったこと。
 東方の反乱によって王が亡くなる直前に、妖精王のもとに預けられたこと。
 その際、13本の宝剣に魔法がかけられ、世界中に散らばったこと。
 13本の宝剣が再び一堂に会するとき、ミルガレーテも人の身に戻ること。
 フィリシアが手に入れた剣は、その宝剣のうちの一本であること。
「宝剣は、私の友達を選んでくれるの。これが最初の一本目」
と、ミルガレーテは黄金の剣の鞘を撫でながら言った。すでに剣は鞘の中に収められている。
「この柄の青い宝石の意味は、誓いと友情。私を呼び出せるのは、この最初の剣だけよ」
「呼び出すって?」
「もし・・・もし、フィリシアが私に会いたいと思ってくれることがあったらね。そうしたら、この剣を抜いて、私の名を呼んでくれればいいの。月が満ちて行く時期なら、それで私、あなたのもとに現れることができるわ」
「月が満ちて行く時期って?」
「新月を過ぎてから、満月までの間。それ以外のときは私、何もわからずに眠っていて、動くことができないから」
「勝手に呼び出したら、迷惑したりしない?」
「ぜんぜん迷惑なんかじゃないわ。うれしい・・・と思う」
「それなら、呼ぶわ。明日も、あさっても。また一緒に遊びましょう」
「ありがとう。待ってるわ」
 ミルガレーテはにっこりと笑った。ああ良かった、また笑ってくれた。

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