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  • (2017/4/29朝) そして、3月に続いて4月もまた、溶けるようにして消え去って行くのであった…。

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(光り姫)(05)

 妖精たちが、遠慮がちに声をかけて来た。
「光り姫さま、光り姫さま」
「なあに?」
「フィリシアさまの呪い、見てあげてください」
「呪い・・・」
 ミルガレーテは真剣な顔つきになってフィリシアに向き直った。フィリシアは少しの間おののいた。呪われた身で、友達になってはいけなかっただろうか。しかし、とがめられる気配はなかった。
「妖精たちから聞いているわ。強力な呪いがかけられているとか」
「私、よくわからないの。お父様もお母様も、教えてくださらなくって」
「見てみるわ。私、少し解呪の呪文が使えるの。両手を出して」
 フィリシアが両手を出すと、ミルガレーテはその手を取った。
「しばらく、静かにしていてね」
 そう言うと、柔らかな声で、魔法の呪文を唱えだす。フィリシアの周りに、ポウッと白い輪が浮かび上がり、複雑な模様を刻んでいく。
 ミルガレーテの声が、少し緊張して来た。フィリシアの周りに、二重目の輪が浮かび上がり、複雑な模様を刻んでいく。
 ミルガレーテの声が、苦しげになって来た。フィリシアの周りに、三重目の輪が浮かび上がったが、
「あっ」
 短い悲鳴とともに、三つの輪はカッと光ってかき消えてしまった。
 ミルガレーテは荒い息をしている。顔色が真っ青だ。
「大丈夫、ミルガレーテ」
「ごめんなさい、解呪できなかった!」
 ミルガレーテの目には、みるみるうちに涙が盛り上がって来た。
「ごめんなさい、フィリシア。せっかくお友達になってもらったのに、私、何もしてあげられなくて」
「呪いは解けなくても、やってみてくれたことだけで、私、すごくうれしいわ」
 フィリシアは本心から言った。
「呪いの中身はわかるの、ミルガレーテ」
「ええ、わかったわ。自分の国に・・・いられなくなるのよ」
 ミルガレーテは口ごもりながら、そう言った。それから、はっきりした口調で、
「たぶん、フィリシアはそのうち、旅に出ることになると思うわ」
「旅に?」
 そう聞いて、フィリシアの胸のうちに湧きあがったのは、しかし、おそれや不安ではなく、何かもっと、未知への期待に近いものだった。
「フィリシアがいやでなければ、私も一緒に行くわ」
「ありがとう。きっと一緒よ」
 話しながら、気がつけば、日が傾きかけている。
「今日はもう帰りましょう、ミルガレーテ。ちゃんと休んでね。明日、きっと呼ぶから」
「きっとよ、フィリシア」
 二人の姫君は、すでに友情で結ばれていた。

 幾年かののち、解呪の聖泉へと旅立つとき、フィリシア姫の荷物の中には、金色の宝剣がしっかりと収められることになる。

(完)

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コメント

読んでしまいました……www
かなり壮大な物語の序幕だったんですね!どこから読もう?と考えていたのですが、次は竜王の館を読もうかしら……。
それとも、上から順番に読むのが一番わかりやすいでしょうか??うーむ。

こちらにもコメント付けてくださって、ありがとうございます☆

目次の並び順は、現在のところ、単純に発表順になっていますが、
一応それなりにバランスを考えながら更新してきたので、
上から順番が一番わかりやすいかな?と思います。

あ、でも、フィリシアの番外編を先に読んでいただいてあるから、
あえていうなら、「始まりの物語」を最初に読むといいかも。

わかりづらい構成ですみませんsweat01
よろしくお願いいたします~。

月路さん こんばんは。
今夜は 最新の作と この編を同時に読ませていただきました。
人を超えた力を持つ 光り姫も
フェリシアも
そして 私たちも・・
命というものは
欠けたることであるということを
痛切に感じました。
そういうところから 他者に対するさまざまな情も
生まれてくるのでしょうね(゚ー゚)

montiさん、
コメントありがとうございます。

「暗殺者」と「光り姫」とは、不思議な取り合わせになりましたね。
命の脆さ、危うさ、不完全さが、すこし目立って見える取り合わせ、だったでしょうか。

でも、欠けているから/脆いから/危ういからこそ、
世界はどこまでも閉ざされることなく広がっていて、
人と人とが手を取り合って繋がっていける、のですよねconfident

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