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始まりの物語(02)

 他の三人が駆けつけて来たとき、マデリーンは小川のほとりで泣いていた。彼女はクルシュタインの王子を愛していたし、その花嫁になる資格がなくなったような気がしたからだ。アイリーンも話を聞いて顔を曇らせた。もしかしたら魔女の呪いは、名を呼ばれたアイリーンにかかっているかもしれなかったからだ。

 一行はともかく山を下りて、国王に報告をした。国王は魔女の滅んだことを喜ぶとともに、二人の姫君のことを心配し、呼び集めた魔法使いと、月の聖者と、太陽の聖者とに、呪いのかかり具合を調べるように命じた。二人の姫君は呪いの影響の少ないことを祈った。
 やがて結論が出ると、代表して魔法使いの老婆が報告をおこなった。
「申し上げます。魔女の呪いはお二方にかかっておりますが、名前を取り違えたせいで、だいぶ和らいでおります。
 まず、魔女の三つの呪いのうち、一つ目の、子が生まれない呪いは、アイリーン様にかかっております。が、和らげられておりますので、おひとりのお子を授かることはできましょう。そして、そのお子は健やかにお育ちになるでしょう。
 残りの二つの呪いは、マデリーン様の最初のお子にかかっております。
 二つ目の呪い、子が生まれてもすぐに死ぬる呪いは、和らげられておりますので、すぐに死ぬることはありますまい。ただ、代わりに、たいそう体が弱くてお生まれになるでしょう。よくよく気を付けてお育てにならなければなりません。
 最後の呪い、自分の国で気がふれて死ぬる呪いについてですが、これだけは、弱まることなく効力を発揮してしまいます。たとえお子が結婚して別の国に住まわれたとしても、今度はそこが、そのお子の「自分の国」。人間の国にいる限り、逃れることはできますまい。われらが知恵を絞って考えました結果、このようにするのはいかがでしょう。

 この三つ目の呪いは、お子の誕生日を契機として発動するものと見受けられます。われらは、これを事前に察知できるよう、ナイフを一本用意いたしました。お子が生まれましたら、このナイフにて、髪一筋を切り落としてくださいませ。その後、このナイフの刃が磨かれて泉のように清らかな間は、お子の身は安全でございます。しかし、このナイフの刃が血に濡れたように赤く染まりましたなら、次の誕生日を迎えさせる前に、必ずお子を国から出して、聖泉<真実の鏡>を目指させるのです。そして誕生日を迎えてから<真実の鏡>を覗けば、呪いは目に見える形で立ち現れることになりましょう。蛇か、鎖か、鍵か。いずれにしても、その呪いを滅ぼせば、お子は自由の身となりましょう」
 姫君たちは魔法使いたちに礼を言って、マデリーンはナイフを受け取った。アイリーンはマデリーンに、
「あなたの子が聖泉を目指すときには、私の子も一緒よ」
と約束した。マデリーンは力づけられ、ありがとうと微笑んだ。
 かくして、リーデベルクの王子はアイリーンを、クルシュタインの王子はマデリーンを、それぞれ伴って祖国に帰り、華々しい結婚式がとりおこなわれた。

 1年後、アイリーンは男の子を出産した。予言通り、健やかな王子だった。
 さらに1年後、マデリーンは女の子を出産した。予言通り、病弱な王女だった、が、数年後に妖精たちの助力を得、健やかに育つこととなった。マデリーンは毎晩、王女の髪を切ったナイフを眺めては、刃が泉のように清らかなのを見てほっとするのだった。

 そして月日は流れ、ある晩ナイフは血のように赤くなり、王子と王女は旅に出ることになる――。

(完)

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コメント

(^^)おはようございます
初めてお訪ねいたします(__)
これからを思わせるような、静かなドキドキ感が心地良かったですnotes
ファンタジー小説は好きな分野です
また、時々こちらで少しの夢を見に、少しずつ読ませて頂きたいと思いますbook

tutatyanさん、こんにちは。管理人の雪村です。
コメントをありがとうございます!

登場人物の過去エピソードを交えながらの旅物語です。
お話ごとに、雰囲気いろいろ、完成度もいろいろですが、
ひとつでも、ふたつでも、お気に召す話があるといいな、と思いますcherry

また気の向いたときに、お気軽にお立ち寄りくださいね。
どうぞよろしくお願いいたしますclover

大河のようなものがたり、まずは門をくぐりました。ときに休んだり、時に道草をしながら、堪能させていただきます。

CZTさん、いらっしゃいませ~。
コメントありがとうございます♪

話があっちに飛んだりこっちに飛んだりして、わかりづらい所もあるかと思いますが、
気の向いたときに、読みやすそうなところをお読みくださいませconfident

CZTさんのお口に合うお話がありますように・・・clover

魔女……普通に怖え……(°°;)

わくわくしながら拝読させていただきました!
これから始まる冒険への夢と期待が膨らみますね(*´ー`*)

産まれながらにして呪われる、という話も不幸ですが、これから産まれる子供が呪われると言われるのも辛いですよね……
でも、そうなることで得られるものも確実に存在している皮肉……

好きです、少しばかりの残酷さを含んだわくわく感(*´▽`*)

ひろさん、
さっそくのコメントありがとうございます♪

プロローグを好きと言っていただけて、「ああ、よかったー」と安堵しています。
しかしながら、プロローグの雰囲気が本編にも引き継がれているかというと、そういうお話もあり、全然ちがうお話もあるので、まだまだドキドキしています。

お話の並び順と、旅物語の進行順序は、あんまり関係がないので、気が向いたとき、読みやすそうなものを、適当に拾ってみてください。
私が「ノアのはこぶね」を好きなのと同じくらい、とは言わないまでも、多少なりとも「好き」と言っていただけるお話が、他にもありますように!(ドキドキ)

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