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華飾の町(03)

 その夜。フルートは人の気配に目を覚まし、横にある剣を引き寄せた。誰か殺意ある者が、この部屋に入って来ようとしていた。閂を外から操作する小さな音。そして、戸が開く気配。
 ――誰を狙って来たのだろう。ぼくか、セレンか、あるいは――。
 フルートとセレンは相部屋で、刺客がどちらを狙っているのかはわからなかった。窓から入る月の光が、刺客の剣に反射して光る。
 ――あるいは、おそらく、両方。可哀想に、人など襲い慣れているようでもないのに、相手がぼくとセレンではね。
 刺客は寝台と寝台の間に立った。フルートは心地よい緊張に身を任せて、心の中でタイミングを計った。
 ――ひとつ・・・
 刺客はフルートの上に、そろそろと剣を振り上げる。
 ――ふたつ・・・
 刺客の剣が、ぴたりと止まり――
 ――いまだ!
 一瞬のうちに。新たな金色の光がふたすじ閃いたかと思うと、身を起こしざまにフルートは剣を受け止め、刺客ののどには後ろからセレンの剣がさしつけられて――それはまったく同時のことだったので、刺客、すなわち宿の主人は、何の行動を起こす暇もなく、ひっと悲鳴をあげることしかできなかった。フルートとセレンは目を見かわしてうなずいた。
「何か用がおありなら、起こしてくだされば良かったものを」
 青い澄んだ目を宿の主に移してフルートが言った。笑いを含んだ声だった。
「今度からは眠っている者にも背を向けないように。それがもし」
「ぼくのように一見、華奢で軟弱そうに見えたとしてもね。剣を捨てたら?」
 セレンに言われて、主が急いで剣を離す。フルートが剣を引き、主の剣を拾ってあらためる。
「それでは」
 フルートは主に向きなおった。いつのまにか、遊び半分の様子がなくなっている。
「早く済ませてしまおう。あなたはなぜぼく達を殺そうとしたのです?」
「首の剣を・・・離して・・・」
 主はあえいだ。首につきつけられているセレンの剣を恐れているのだった。
 フルートはセレンに目配せして剣を引かせた。そして少し口調をゆるめた。
「あなたに害を加えるつもりはないよ。ただ、あなたがたの敵意の理由を教えてほしい」

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