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花園の夢(03)

 扉をくぐり抜けた先は暗かったが、さっきと同じように、扉を閉めると、ぼうっと明るくなった。
 そして、なんと、さっきと同じ部屋の中央に、さっきと同じ娘が、驚いた顔をして立っていた。テーブルに、新しいお茶の用意をしていたようだった。
「どういうことです、マリベル?」
と、セレン。マリベルは、少し悲しげな笑顔を作った。
「ここは、こういう造りなのです。どうかお気になさらず。お茶とお菓子を召し上がってください。そうでないと次の扉が開きません」
 一行はまたテーブルにつき、少量のお菓子とお茶をいただいた。どちらも先刻と同じように美味だった。部屋中の扉がカチリと鳴った。
「こちらにどうぞ」
と、マリベルは、さっきとは違う扉に案内してくれる。セレンが、
「さっきはなぜ、向こうの扉だったの?」
と尋ねると、
「近道だと思ったからです」
 きっぱり言い切った。
「今度の扉は?」
「さあ、どうでしょう・・・」
「待て、開けるな」
 フルートの鋭い声。全員が注目する中、
「ぼくでなくても『道に気付く』ことはできるだろうに。なぜ、この部屋がさっきと同じ部屋だと思うんだ? ふつうに考えれば、違う部屋のはずだ」
「でも、マリベルが」
「名前は聞いてない」
「! 失礼しました、あなたのお名前は?」
 マリベルのように見える娘は、セレンの問いに驚いた顔をした。
「お父様すら忘れた名前を、お尋ねになるのですか。私はフロリベルと申します」
「失礼しました、フロリベル。そういえば、『しるべを見分ける』のがぼくの役目だった。ああそうだ、あなたの髪を、少し編ませてもらえませんか。そうすれば、誰も間違えないし、あなたも可愛らしくなれるから」
 フロリベルは戸惑ったようだったが、セレンに髪をまかせたので、セレンはフロリベルの髪に、器用に細い三つ編みを二本作って、薔薇の頭飾りを挿しなおした。
「ほら、いっそう可愛らしくなりましたよ、お嬢さん」
 フロリベルははにかみながら、
「どうぞ、こちらの扉へ」
と、最初とは違う扉を案内してくれたのだった。

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