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ひとこと通信欄

  • (2017/5/11夜) 春って、あわただしく過ぎて行くものなのですね。でも、ようやく身辺が落ち着いて来たような気がします。

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花園の夢(04)

 そのあとは、同じことの繰り返しだった。
 全く同じ背丈と顔つきをした娘たちが、入れ替わり立ち替わり現れて、お茶とお菓子をふるまってくれた。セレンは――フィリシアも手伝って――その一人一人を、少しずつ違う髪型にアレンジしてやりながら、名前を覚えた。娘たちの指示にしたがって部屋を通り抜けていくと、前と同じ部屋に行き当たることもあって、そんなときにセレンは間違えることなくその娘の名を呼んだので、名前を呼ばれた娘たちはとても嬉しそうだった。
「どうやら、何かの魔法陣のようだ」
と、あるときフルートが言った。フルートの頭の中には、今までに通って来た道順が思い描かれているようだったが、その道順をつなぐと、何か意味をもった模様になりそうだと言うのだった。
 娘たちは途中から、少しあわて始めていて、
「時間があまりありません。お茶とお菓子をすぐに食べてしまってください」
と、旅人たちを追い立てたので、旅人たちは途中から、お菓子を一口かじり、お茶を一口飲むだけになった。もっとも、旅人たちはそろそろおなかいっぱいになっていたので、一口で済むのは、かえってありがたかった。
 そうして、ついに、アニベルという娘が、扉を指し示して言った。
「最後の部屋の扉が開きました。どうぞお入りください。お父様には、娘たちからよろしくとお伝えください」
「ありがとう、アニベル。お茶とお菓子をごちそうさま」
 旅人たちは、最後の部屋に入った。

 今までと同じような部屋だった。四方に扉がある。違っていたのは、部屋の真ん中にあるのがテーブルではなく執務用の机であることと、そこにいるのがあの娘たちではなく、おそらく娘たちの父親と思われる、中年の男性であることだった。
 彼は旅人たちが入って来たのを見て、あんぐりと口を開けた。
「どうやって入って来たのだ」
「あなたの娘たちの導きによって。あなたによろしくと言っていました」
と、フルートが答えた。
「そんなばかな。あれたちは、もう、人を迷わせることしかしないはずだ」
「ぼくたちがここにいるのが何よりの証拠です」
「むう」
と彼はうなってから、
「なるほど、魔法陣を踏んで来た君たちは、この部屋のどの扉でも、もはや自由に開けられる。しかし、どの扉が正しいかは、わしからは申し上げられない。なぜなら、わし自身、どの扉が正しいかを知らないからだ」

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