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  • (2017/5/11夜) 春って、あわただしく過ぎて行くものなのですね。でも、ようやく身辺が落ち着いて来たような気がします。

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花園の夢(06)

 ――出た先は、入ったときと同じあずまやだった。青い光の壁は消えており、瀟洒な扉も、閉まると同時に消えてしまった。
 あずまやから出てみれば、空は夜明け前の瑠璃色をしており、
「わあ・・・」
と、フィリシアが歓声を上げたのも無理はない、枯れ果てていた花園には、いま、夢のように美しい花々が咲き乱れていた。見渡す限りを埋め尽くす、赤、白、黄色、青、紫・・・。
 まだ日も当たらないのに目にも鮮やかなその花々は、いずれもきちんと手入れされており、良い香りがしていた。
「これは一体・・・」
と、花園を歩きながらフルートがいぶかったが、謎はすぐに解けた。朝日が昇ると、陽光の当たった場所から、花園は元の枯れ枝に戻って行ったのだ。
「百年をまどろむ花園の夢、か」
 花園の片隅に、ひと群れの薔薇の花があって、あの娘たちの挿していた頭飾りと同じ花、と思い当たったが、すぐにその薔薇たちも消えて行った。
 一行は、花園が再びすべて枯れ果てて行くのを、じっと眺めていた。
 枯れ果てて荒れてしまった草木の間には、気がつけばあちこちに古い骨のようなものが見てとれた・・・。

 ・・・日差しを浴びて、最後の花が消えた。
 旅人たちのまぶたの裏にだけ、色とりどりの花の残像が映っている。
 咲き誇る花の香りが、まだ残っているような気がしてならない。
 しかし、こんなふうに枯れ果てた庭園のなれの果てが、香るはずもなかった。
 セレンが思い出してあの招待状を出してみると、それはもう、ただの古い白紙だった。

(完)

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