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命令の指輪(01)

 店の出窓に飾られた髪飾りを見て、フィリシア姫は――というより今は町娘のフィアは、心惹かれて、目を離すことができず、その場に釘付けになった。
 髪飾りは、大きめの白い花が連なった意匠で、派手すぎず、地味すぎず、可憐で、流行にも合っている。フィアの青い髪にも、きっと似合うだろう。
 だが、フィアの旅費もお小遣いも、元をたどればクルシュタインの国民の税金から出ているものだ。こんなところで無駄遣いしてはいけないのではないか、と、フィアはためらった。
「そのくらい、買えばいいじゃない」
「セレン」
 背後から声をかけられて、フィアは振り向く。長い金髪の若者は、にこりと笑った。
「思い出して、フィア。君には君の義務がある。代わりに、君の権利を行使することができる。だから君は、気に入った髪飾りを買っていい。どう?」
「そう・・・そうね」
 ほっと微笑みながら、それでも動けないでいるフィアの肩を、セレンはぽんと叩いた。
「それならプレゼントしてあげる。待っていて」
「えっ」
 戸惑うフィアの脇をすり抜けて、店の中に入って行き、出窓の髪飾りを手にとって、店の奥の主人に声をかける。
 セレンがフィアに背を向けていた、その、ほんのわずかな時間に――
 ――事件は起きた。
「もしもし、お嬢さん」
「はい?」
 振り向いたフィアの額に、何か硬い物が押し当てられる。
 反射的に離れようとしたが、遅かった。
「我に従え」
 早口でそう言われて、次の瞬間、目の前が真っ暗になった。
 これは何? と、言ったつもりが、声にならない。
 思考に靄がかかり、何も考えられなくなる。体から力が抜けて、立っていられない。
 どさり、と地に崩れ落ちたフィアの体を、銀髪の青年が担ぎあげて、傍らの馬車に乗せた。
「うまく行った。早く帰ろう」
 本当に、あっというまの出来事だった。
 店の中にいたセレンが、ただならぬ気配に振り向いたときには、すでに馬車は走り去るところで、セレンに続いて走り出て、同じく馬車を見送った店主が、
「ゴーエン公の馬車だ・・・」
と、つぶやいた。 

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