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(仲直り)(01)

 夏のある日、都の真ん中で、自分の家の紋章をつけた仰々しい馬車が目の前に止まったとき、セレンは、来るべき時が来たことを知った。家を抜け出し始めてから一ヶ月半。いろいろ叱られてはいたが、この実力行使は予想よりも遅かったくらいだった。
 隣にいる友達がすみやかに立ち去ってくれることを願って、彼は静かに言った。
「逃げて、ルーク」
 しかし、返って来たのは、
「どうしてさ」
という、要領を得ない返事だった。
「母上だ。きっとひどいことをされる。逃げて」
「ひどいことって?」
「鞭で打たれたりとか・・・いいから早く逃げて!」
 セレンはルークを押しやろうとした。通りに居合わせた都の子どもたちも、「ルーク、逃げろ」と切羽詰まった声をかけて来る。止まった馬車からはもう、セレンの母親が下りて来るところだった。
「いやだ、逃げない」
と、ルークは言って、その場にとどまった。セレンは焦れたが、もう間に合わなかった。
 馬車から下りて来たディア家夫人は、二人の目の前に立った。若い小柄な夫人は、髪を結いあげ、レースのショールを羽織って、きちんとした装いをしていたが、顔色は怒りに青ざめていた。
「セレン、あなたは今の時間、お勉強をしているはずではなくって」
と、彼女は口を開いた。言葉も怒りのために震えていた。
「申し訳ありません、母上」
とだけ、セレンは言って、ルークをかばうように立った。夫人はセレンの肩越しにルークをにらんだ。
「あなたが、うちのセレンを悪い遊びに引き込んでいるのね。名前を言いなさい」
 ルークは澄ました顔で、
「ルーク」
と名乗り、続けて、
「悪い遊びって何さ、おばさん」
と、おそれげもなく言って笑った。
「俺、セレンを酒や賭博に引き込んだりはしてないぜ。引き込もうか?」
 周りに集まって来た見物人の間から、かすかに笑い声がした。
「大人をからかわないで!」
 夫人はヒステリックに叫んだ。じろじろとルークを眺めて、そのどこにも、貴族を示す印がないことを確認すると、
「あなたは、うちの子とは身分が違います。今後、一切の付き合いを禁じます」
と宣言した。
「禁じるって、どうすんのさ、おばさん」
「今後、一緒にいるところを見かけたら、痛い目に・・・あら?」
 ルークの顔を見て話しているうちに、夫人は妙な顔つきになった。
「あなた、どこかで・・・」

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