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邂逅(01)

草原には、黒い雲が垂れこめていた。
道を確かめるために二騎、先行して馬を走らせているフルートとゼラルドは、嵐が来ないことを祈った。
草原には、ところどころに立ち枯れた木々がある他、何もない。
しかし、無言で馬を駆っていた二人は、草原を分ける細い川のほとりで、驚いて手綱を引くことになった。
「なんだ・・・これは!」
フルートが低く呻く。
川の向こう岸には、異様な光景があった。
影だ。人のかたちをした影が、野原を埋め尽くし、這うように進んでいる。
影の群れは川の流れと同じ方向に移動していたが、いくつかはこちらに気付き、川を渡って来ようとしていた。
ゼラルドは馬から下りた。
「ぼくを」
守れ、と、反射的に母国語で言いかけて、一緒にいるのが故郷の従者ではなく、友であることに思い至る。守れではなく、守ってくれと言うべきだし、内陸の言葉で言わなければならないし、そもそも守ってもらいたい理由を説明しなければならない。
「わかった」
と、しかし、フルートは、こちらも馬を下り、ゼラルドの前に出て剣を抜き放つと、こともなげに応じた。
「どれだけ持ちこたえればいい?」
「100数えるだけの間」
「了解」
言いながら、フルートの剣は最初の影を叩き切っている。口元には不敵な笑み。
ゼラルドは<太陽の力>を利用した術の詠唱に入った。敵が本当に「影」であるなら、殲滅に効果的なはずだ。
詠唱が進むにつれ、二人の足元には金色の光がゆらゆらと溜まっていく。フルートが切らずとも、光に触れて消滅していく影もある。
100数えるだけの時間をかけて、川のこちら岸に金色の光を十分に溜めてから、ゼラルドは一気にその光を向こう岸に押し流した。
光は、燃えさかる火のように、草原じゅうを舐めつくす。這う影の群れは呑みこまれ、あとかたもなく消滅していく。
金色の光の洪水はやがて消えたが、消えたあとには、ひとつの影も残らなかった。
二人は息をついた。
が、そのとき。
ぞわり、と体中が総毛立つ感覚があって、二人は身構えた。

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