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(仲直り)(02)

 無理もない、ディア家の夫人なら、この国の王子には何度も会っている。ただ、目の前にいるルークとは雰囲気がまるで違うから気付きにくいだけだ。
 だが、夫人が記憶を呼び覚ますより前に、ルークの陽気な一言がすべてを吹き飛ばした。
「俺のほうはあんたに見覚えなんてないぜ、くそばばあ!」
「な・・・な・・・」
 夫人は赤くなったり青くなったりした。見物人たちの抑えた笑い声が、余計に彼女を追い詰めた。
 夫人はキッとなって、供のほうに手を伸ばした。
「鞭を!」
 差し出された細い鞭を手にして、命じた。
「前に出なさい、ルークとやら。不敬の罪で打ちます!」
 セレンがルークをかばおうと手を広げたが、ルークはそれを押しやって前に出た。
「いいんだ、セレン」
 その目がきらきらと輝いているのを、セレンは不思議な思いで見た。
「両手を出しなさい」
 言われてルークは素直に手を出した。夫人が鞭を振り上げる。
 その瞬間――セレンは理解した。「不敬の罪」はどっちだ? 今ここでルークが手に傷を掲げて自分の身分を明かしたらどうなる? 身分差を理由にセレンから友達を取り上げて来た夫人に、ルークは一矢報いようとしているのだ・・・彼が都で築いて来た「ルーク」のすべてと引き換えにして!
「だめだ!!」
 気がつけば、セレンは母親とルークの間に無理やり割り込んでいた。ルークと母親のどちらを守りたいのかは、自分でもよくわからなかった。
 すでに力いっぱい振りおろされていた鞭は、セレンの頬をかすめた。
 頬が熱い。触れてみた手には、血が付いた。
 セレンの柔らかな頬には、一筋の真っすぐな傷がついて、血がにじんでいた。夫人は鞭を取り落とし、悲鳴をあげた。
「セレン! いやあああ!」
「セレン、どうして!」
 動転しているのはルークも同じだった。向き合って、セレンの頬の傷を認め、目を見開いた。
「どうして、こんなことを! ぼくは良かったのに!」
「良くない。いいから、ここを離れて。今のうちに」
 夫人は卒倒して、供のものに介抱されている。
「でも、セレン」
「大丈夫。ありがとう」
 二人の目と目が合って――ルークは黙ってうなずいて、その場を離れた。
 夫人は馬車に乗せられ、「セレン様も」と、セレンも乗せられた。
 屋敷に帰ると、医師の診察を受けさせられた。幸い、傷跡は残らないだろうとのことだった。

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