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華飾の町(07)

 それなら試しに外に出てみようか、と軽く言ったのはフルートで、みなが引きとめるのをかわして外に出た。彼は、みっつ数えるより早く戻ってきて、直後、宿の扉にたくさんの石が当たる音がした。
「信じられない」
と、彼は一個持ち帰った石をみなに見せた。それは、こぶし大ほどもある宝石だった。
「こんな高価なもので人を追うなんて。しかも、落としたら割れるものも多い。いくら裕福だといったところで、正気の沙汰じゃない」
 律儀に、扉の外へと転がしてやってから、方針を決めた。
「幸い、暴徒は中までは入って来ないようだ。三日のうちに状況が変わらなければ四日目に強行突破、それまでは自由行動。で、いいか?」
 異議は出なかった。

 一日目、二日目は適当に話をして紛らわせた。しかし、三日目になっても、群衆は依然としてそこにいた。
「入れ替わり立ち替わり、か。一体どういうつもりだろう」
 方針を決めたフルートが、最初に退屈して苛立ち始めた。セレンも、こちらは人の悪意に疲れて機嫌が悪くなっていた。ゼラルドは屋内で一人で過ごすのに慣れているため、特に問題なく自室で過ごしており、フィリシアも、生来の無邪気な落ち着きでもって、主の作業を眺めてみたり、部屋でミルガレーテとおしゃべりに興じたりして、これもそれなりに過ごしていた。
 結局、一番おもしろくないのはフルートとセレンだった。本でもあればよいのだが、ここには不幸にも一冊もない。二人はカードにもチェスにも飽きて――カードはフルートが強くチェスはセレンが強い――、とりわけ話すようなこともなく、めいめい不機嫌に宿の中をうろついた。こんなときに一緒にいると喧嘩になりやすい、ということは承知していて、しかし一人でいるのも退屈で、最後には二人とも部屋に帰って来るのだった。
「セレン」
「・・・何?」
 セレンは返事をしたが、疲れているように見えた。
「少し眠ればいい。ゆうべもその前もほとんど寝ていないだろう」
「昼も夜も、眠るにはうるさくてさ」
 セレンは投げやりに言った。フルートはたしなめて、
「明日は出発だ。今日のうちに休んでおいたほうが」
「余計なお世話だ」

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