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命令の指輪(02)

 セレンは「ゴーエン公」の名に聞き覚えがあった。馬車の行き先がわかった以上、情報収集が先と考えて、店主から詳しく話を聞くことにする。
 店主曰く、ゴーエン公は年若い変わり者として知られており、魔法の品々を集めるのが趣味という。役に立つものも立たないものも、魔法の品といえば収集し、大事にしているのだとか。お気に入りは「命令の指輪」で、これを人の額に当てて「我に従え」と言うと、何人たりともゴーエン公の言葉に逆らえなくなる。幸いなことに普段は乱用しないが、珍しい来客を迎えるときなどに、この指輪を使って見目良い町娘をさらい、召し使いとして来客にプレゼントするという悪趣味な癖がある。
 あなたの連れの方がさらわれたというのであれば、今日の昼、おそらく貴人の来客があるのでしょう。お可哀そうに。と、いう話なのだった。
 セレンは礼を言って店を出た。実のところ、その「貴人の来客」にも心当たりがあった。誰あろう、フルート王子が、ゴーエン公の昼食に招待されていたのだ。
 これから宿に戻っても、入れ違いで出てしまっているだろう。だが、形はどうあれ、フルートがフィリシアを連れ帰って来るのなら、ひとまずそれを待ってもよさそうだ。
 セレンは念のためにゴーエン公を訪問するしたくを整えながら、フルートの帰りを待つことにした。

 さて、フルートは、その日の昼、ゴーエン公のところで食事をごちそうになりながら、様々な魔法の品々を見せびらかされることになった。あまり趣味のいい遊びではないな、と考えながらも、退屈はしなかったので、にこにこと話に耳を傾ける。
 ゴーエン公は、フルートよりいくらか年上の、銀髪の青年だった。愛蔵のコレクションを取り出して、うれしそうに、次から次へと説明してくれる。
 ひとつだけ感心したのは、ゴーエン公が、これらの品々を必ずしも個人のためだけに集めているのではないことだった。有事の際、人々のために使うのだと説明された品の中には、なるほど素晴らしい値打ちのものがあった。たとえば、<尽きない水瓶>は、ひしゃくで水を汲み出している限り、水が尽きることはない。<広がる毛布>は、何人だろうと一緒にくるまって暖を取ることができる。
 逆に感心できないのは、何のために使うのかわからないような品までも、ただ魔法の品というだけで集め、値打ちあるもののように見せびらかしていることだった。<黒いロウソク>は黒い光を放って明るさを減じるロウソクだったし、<腐敗の石>ときたら、触れたパンを腐敗させる石なのだった。
「そしてこの指輪が、<命令の指輪>です」
 ゴーエン公は得意げに、嵌めている銀の指輪をフルートに見せた。真ん中が大きく盛り上がっており、そこに複雑な文様が浮き彫りにされている。
「この指輪を使うと、誰でも意のままに操ることができます。さきほど我が街で摘み取って来たばかりの名花を、殿下に献上いたしましょう。・・・さあ、出ておいで」

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