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命令の指輪(03)

 青年が、部屋の奥にある衝立に声をかけると、その陰から現れたのは・・・女中の服を着せられた青い髪の娘。顔を見ればフィアだった。フルートは息がとまるほど驚いたが、フィアのほうはフルートに気付く気配はなかった。
 銀髪の青年は機嫌よく、
「さあ、可愛い女中さん。こちらの方が、おまえの新しい御主人さまだよ。言ってごらん、あなたにお仕えいたします、と」
 フィアの顔が、指し示されたほうに動き、その視線がフルートをとらえる。瞳の中にかすかな感情の色が動いたようにも見えたが、それはすぐに、鈍い麻痺の中に呑み込まれて行った。
「あ、なた、に・・・」
 フィアはかすれた声で、とぎれとぎれに言った。その目はうつろに曇っている。
「お、つか、え、いた、し、ます・・・」
 言い終わって、しかし、涙を一粒こぼした。フルートは胸をえぐられるような思いがした。大国クルシュタインの王女に何を言わせているのだ、この男は。
 銀髪の青年は、フルートの動揺に気付いたふうもなかった。
「そう、よく言えたね。じゃあ、今度はこんなふうに言ってみよう。あなたを心からお慕いしています、って」
「あなた、を・・・」
と、またフィアはかすれた声で言い始めた。揺れる視線でフルートを見つめながら。
「心から、お慕い、しています・・・」
 言い終わって、ぽろぽろと涙をこぼした。
 ――心にもないことを、無理に言わされているからだ。そう思ったとたん、胸がドクンといって、気が付くとフルートは席を立っていって青年の胸倉をつかんでいた。
 しまった、事を荒立てるつもりは・・・と、頭の片隅で考える声があったが、とどめようがなかった。
「このひとに、何をした」
 自分でも驚くほど物騒な低い声が出た。銀髪の青年はわけがわからない様子で、
「な、何をするんです」
「すぐに元に戻せ」
 ぐいと胸倉をつかみ上げる。ああ、なぐりつけてしまいそうだ。
 しかしそのとき、異様な空気に気付いて、フルートははっとフィアのほうを振り返った。いつのまに取り出したのか、フィアは護身用の短剣を抜いて、自らの喉元に突き立てようとしていた!

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