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命令の指輪(04)

「よせ!」
 フルートはゴーエン公を離し、フィアに駆け寄って短剣を取り上げた。
 フィアはゆっくりとフルートを見上げた。涙に濡れた睫毛の下から、煙るような青い瞳がフルートを見上げ、かすれた声がため息のように告げた。
「好き・・・」
 それきり、フィアは目を閉じて、ぐったりと気を失ってしまったようだった。
 つかの間、フルートは、常になく激しく動揺し、うろたえていた。が、すぐに、フィアが「心にもないことを無理に言わされていて、そのせいで自害まで試みた」ことに思い至り、冷水を浴びせられたような思いで我に返った。
 そっとフィアを横たえると、フルートはゴーエン公に向き直った。
「彼女は私の知人です。元に戻していただきたい」
「そうだったのですか・・・」
 ゴーエン公は驚きつつ、納得した様子だった。そして、困った顔をした。
「しかし、申し訳ありません。実は、この魔法は、解くことができないのです」
「・・・何ですって?」
「いえ、時間が経てば自然と解けます。早ければ一ヶ月、遅ければ一年ほどで・・・」
「一年!」
 フルートの顔が険しくなったのを見て、ゴーエン公は、また乱暴されるのではないかと慌てたように、
「いえ、その方の場合、自分の意志が多少なりとも残っているようでしたから、ひと月もあれば元に戻るでしょう」
「指輪を壊したら魔法が解けるのではありませんか」
「な、何をおっしゃるのです。これは私の大事な、大事な・・・」
「壊してください」
 フルートはゴーエン公をにらみつけた。ゴーエン公は震えあがって、そっと指輪を抜きとり、さんざんためらったあげく、ナイフの柄を振り下ろした。ガチリと鈍い音がして、指輪は壊れ、不思議な文様も砕けた。
 魔法が解けているのかいないのか、フィアは眠り続けている。フルートはフィアを抱き上げた。
「ご協力に感謝します。それでは、これで失礼します」
 しかし、馬車に乗せて帰る間、フルートがどんなに声をかけても揺さぶっても、フィアは一度も目を覚まさなかったのだった。

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