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命令の指輪(06)

 フィリシアは、洞窟の奥深くで震えていた。森の中で歌いながらイチゴを摘んでいたら、何か間違ったことを歌ってしまい、傍らに跳ねてきたガマガエル――の格好をした魔法使い――が、気に入らないと言って呪いをかけて来たのだ。おまえの肌もガマガエルのようになるがいい!
 フィリシアは、変わりゆく肌の色を見て、悲鳴をあげて近くの洞窟に逃げ込んだのだ。
「フィリシア?」
 洞窟の入り口のほうでフルートの声がして、フィリシアはびくっとした。
「フィリシア、そこにいるね?」
「来ないで!」
 フィリシアは思わず、悲鳴をあげてあとじさった。
「フィリシア? 一緒に戻ろう」
 かまわずに中に入って来る気配。
「来ないで! 近寄らないで! それ以上近づいたら、私・・・私・・・」
 ただごとではない様子に、フルートが立ち止まった。困惑しているようだ。
「フィリー、そんなことを言ったって・・・」
「君は少しどいていなよ、フルート」
 今度はセレンの声がした。やわらかな声。
「フィリシア、ぼくだったら、近くに行ってもいい? 何も無理強いはしないよ」
「・・・よくないわ」
「何があったのか、話を聞かせて。大声でどなりたい?」
「・・・いいえ。・・・わかったわ、もう少し近くに来て。でも、私を見ないでくれる?」
「こんな暗がりでは、見たくても見られないよ」
 セレンが近づいてくる気配。フィリシアはセレンに背を向ける。ぼんやりした闇の中、セレンはフィリシアの背中にやさしく話しかけた。
「さあ、お姫様。どうして君を見てはいけないのか、教えてくれる?」
「セレン。私・・・私ね、醜くなる魔法をかけられてしまったの。いまの私は、顔も手も足も、ガマガエルのようにぬらぬらして、いぼいぼしているの・・・」
 話す声は細くなり、震える。セレンはそっと聞いた。
「君の手に、さわってみてもいい?」
「・・・いいわ。でも、おねがい。びっくりしないでね」
 セレンはそっと、差し出されたフィリシアの手にさわった。ぬらぬらして、いぼいぼしている手。
「・・・ほんとだ」
と、セレンはやさしく言って、そっと、その手の甲にキスをした。
「セレン!」
 暗がりの中、びっくりしてフィリシアが振り返り、あわててまたそっぽを向く。

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