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命令の指輪(07)

 セレンはフィリシアの手を両手で包みこみながら、
「お姫様、暗くて見えない君の顔に、さわってみてはいけない?」
 フィリシアは逡巡した。が、いつまでも隠していられることでもなかった。心を決めて、ゆっくりと振り向き、
「・・・いいわ。でも、おねがい。びっくりしないでね」
 セレンはフィリシアの手から片手を離し、そっとフィリシアの頬をさわった。ぬらぬらして、いぼいぼしている頬。
「ほんとだ」
とセレンはささやいて、次の瞬間、フィリシアはふわりと抱きしめられていた。
「フィリシア、そんなふうに泣かないで」
 言われて、フィリシアは自分がずっと泣いていることに気付いた。頬は涙で濡れていた。
 セレンはフィリシアの耳元で、
「フィリシア。君の、この可愛いカエルのほっぺにキスしてもいい?」
「な・・・な、な、何を言うの、セレン!」
「だめ? じゃあ、考えて、お姫様。もしぼくが、ガマガエルのような顔になってしまったとして、君はぼくを旅の仲間と認めてくれなくなる? フルートはぼくを友達と認めてくれなくなる? ゼラルドはぼくに優しくしてくれるようになる?」
 フィリシアはひとつずつ検討して、最後の質問には吹き出して、答えた。
「いいえ。そんなことはないと思う」
「それなら、君も今まで通り、一緒に来てくれるね?」
「それは・・・でも・・・」
「じゃあ、洞窟の入口にいるフルートとゼラルドを追い払ったら、ひとまず一緒にここから出てくれる? 何を見ても驚かないと約束するよ。それとも、ぼくに見られるのも嫌? そんなに信用ないかな」
「・・・わかったわ」
 フィリシアはため息をつくように了承した。
「じゃあ、ちょっと待っていて」
 セレンはそっとフィリシアを離して、洞窟の入り口のほうに向かった。やがて、入り口のほうから、フルートの、
「どうして、ぼくはだめで、君ならいいんだ」
という不満そうな声が聞こえたが、すぐに静かになった。
 セレンは戻って来ると、うやうやしくフィリシアの手を取った。
「さあ、二人とも追い払ったから、参りましょう、姫」
 フィリシアは緊張しながら、暗い洞窟を抜けて、明るい日の光のもとに出た――

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