2017年6月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  

ひとこと通信欄

  • (2017/6/11夜) 「火の鳥」を印刷所さんに入稿する準備をしていたら、ブログの更新間隔が空いてしまいましたー。すこーしお待ちくださーい。

ランキング参加中!

  • 記事がお気に召したらクリックしていただけると、作者の励みになります。(1日1回まで)

    (投票せずに順位を確認したい方はこちらから。)

読者アンケート実施中♪

  • 所要時間は5分くらい?
    個人情報の入力はありません。
    よろしくお願いいたします。
    こちらから。

SF「夜景都市」(未完)

最近のトラックバック

プロフィール

  • 城

    雪村月路
    snow.moon.rainbow☆gmail.com
    (☆を@に変えてください)
    Twitter: @ariadne_maze
    ブログ更新量について
    愛読書100冊

    うちの子同盟 うちの子同盟

無料ブログはココログ

« 訪問者(01) | トップページ | 訪問者(03) »

訪問者(02)

 宝剣の持ち主であるということが、単に一振りの剣を所持するだけのことではないと知ったのは、もう少し季節が進んで、秋風の冷たくなったころだった。
 ちょうど学問の時間が終わったところで、図形等を書き散らした紙片をひとり片づけていると、声が頭の中にじかに語りかけてきた。
≪助けて!≫
 若い女の声だった。反射的に、壁を背にして剣に手をかけたが、部屋には誰もいない。静かに待つと、声はさらに続けた。切羽詰まった様子だった。
≪その剣を抜いてください。お話があります≫
 話をするのに剣を抜く? 何のことかわからなかったが、王子はともかく言われたとおりに黄金の剣を抜いた。すると、さらさらと時の砂が流れるような不思議な感覚があって、目の前にふわりと一人の姫君が姿を現した。
 金を紡いだような輝く髪。雪のように白い頬。花のような唇。そして瞳は金色で、よく見ると虹色に光っているのだった。
 彼女は薄緑色のドレスの胸の前で手を組み合わせて、フルートを見つめ、懸命な様子で言葉を発した。
「初めてお目にかかります。わたくしの名はミルガレーテ。ぶしつけをお許しください、本当はこんなふうにお会いするはずではなかったのですが・・・事情が変わり、危急の用件で参上いたしました。どうかお力を貸していただきたいのです」
「何をすればよいのですか、ミルガレーテ姫」
 フルートの決断は早かった。もちろん疑問は色々あったが、いま必要なことだけをそう口に出すと、ミルガレーテは目に見えてほっとした顔をした。
「わたくしの友人を助けていただきたいのです。彼は力を使い果たして、ひどく消耗しています。どうか保護していただけないでしょうか」
「その方は今どちらに」
「近くの森まで連れて参りました。案内いたします」
「この剣は、もう鞘に収めても?」
「ああ、大丈夫です。姿を現す瞬間にだけ、剣の力が必要なのです」
 フルートは剣を収め、上着を羽織り、気が付いて水差しとコップを持った。ミルガレーテは手を差し出して、
「瞬間移動します。わたくしと手をつないでいただけますか?」
 フルートは差し出された手をそっと取った。ミルガレーテは緊張した面持ちで、何かの呪文を唱えた。周りの光景がゆらりと歪んだかと思うと・・・二人は王家の森の中、泉のほとりに立っていた。
 ミルガレーテは心配そうに指差した。
「あのひとです」

人気ブログランキングへ

« 訪問者(01) | トップページ | 訪問者(03) »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/568827/54266790

この記事へのトラックバック一覧です: 訪問者(02):

« 訪問者(01) | トップページ | 訪問者(03) »