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訪問者(07)

 数日おきに、フルートはふらりとディア家に立ち寄った。ゼラルドはまだ本調子ではなく、眠ったまま起きないことも多かったが、湯浴みもして身ぎれいにしており、少しずつ快方に向かっているように見えた。また、黒髪黒目については、表向き、隣国クルシュタインにわずかに残る黒髪の一族にゆかりある者、ということにしており、セレンの客人としてディア家に滞在していることになっていた。
 ゼラルドとフルートは少しずつ話をした。お互いに害意のないことを確かめたあと、とりわけフルートが知りたがったのは三つ、すなわち、なぜゼラルドが国を出たのかということ、大境界をどうやって越えたのかということ、ミルガレーテとは何者なのかということだった。しかし、ゼラルドにとって、それらは語りたくないことだったり、語ろうにも彼自身知らないことだったりしたので、はっきりした回答を得ることはできなかった。
 ある日、フルートがゼラルドの部屋を訪ねると、ゼラルドはベッドで上半身を起こし、大きな水晶玉を見ていた。フルートが興味を持って、
「君は遠見ができるのか? その水晶玉はどこで?」
 尋ねると、ゼラルドは、
「ぼくの水晶玉だ。月の聖者は、このように便利なことができるからね」
 両手で水晶玉を持ち、まるで目の前に棚があるかのように、棚に置く仕草をすると、水晶玉は消えてしまった。ゼラルドが今度は棚から取り出すような仕草をすると、水晶玉は再び彼の手の中に現れていた。
「この部屋を起点に、少しずつ遠見の範囲を広げて行って、最近は都の大通りまで見えるようになった」
「すごいな。セレンやぼくが映ることも?」
「ある。そのことで君に一度聞いてみたいと思っていた」
 ゼラルドはフルートに向き直って、静かに視線を合わせた。
「君は、誰とでも親しく話すね。他人を信用し過ぎではないのか。ぼくのことも含めて」
「疑われたいのか?」
「そうではない。だが、周りの者を信用し過ぎるのは、君のような立場にある者にとって危険だと思う。そもそも」
 ゼラルドは一呼吸おいて、
「セレン・レ・ディアは、信用できるのか? 彼は、都の大通りを歩くとき、いつも違う女性と・・・親しくしている。あのように浮ついた人間を、君はなぜ信頼する?」
「あはは、たしかに浮ついてみえるかもしれない。でも、信ずるに足る友人だ」
「きっと君は、実際に危険な目に合わないとわからないのだろうね」
 ゼラルドは冷ややかに言った。
 この件について、この日の会話はそれだけだったが――。 

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