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訪問者(09)

 フルートは、ノックなしにゼラルドの部屋を開けた。
 ゼラルドは、部屋の真ん中で、長剣――いつのまに調達したのだろう、ああそうか見えない棚に置いてあったのか――を抜き、フルートに向き合って静かに立っていた。
 フルートは、自分も剣の鞘を払った。ひと呼吸おいて、本気で斬りかかった。カシーン・・・と、二本の剣のぶつかる音が鳴り響いた。
 そうやって剣を合わせてみると、フルートのほうが格段に強いことが明らかだった。しかし、剣を合わせたまま、ゼラルドはふっと冷笑した。
 何がおかしい! フルートはカッとなりかけたが、同時に、頭の片隅に小さな違和感が生まれた。こんなに力量が違うのに剣で戦うのはなぜだ。ゼラルドは月の聖者なのだから、術で対抗するほうが有利なはずだ。なのに、この笑みは、まるで――
 まるで―― 斬 ら れ た か っ た か の よ う だ 。
 その違和感が、ほんの一瞬、フルートの二撃目を遅らせた、そのわずかな時間に。
 甲高い女の悲鳴が響いた。
「だめーーーーーっ」
 突然、二人の真横に、ミルガレーテが現れた。取り乱して、
「ふたりとも、何をしているの・・・?!」
 泣きそうな顔で、二人の剣の切っ先に手をのばして来ようとするので、フルートもゼラルドも、あわてて剣を引いた。ミルガレーテはうつむいて、両手で自分の顔を覆った。
「ふたりとも、わたしの大事なお友達なのに・・・」
「「ミルガレーテ」」
 呼びかけた声は二人同時で、フルートとゼラルドは無言で顔を見合わせた、と同時に、お互いの持つ剣が酷似していることに気付いた。刀身も鞘も金色で、柄の部分に輝石が嵌め込まれている。フルートの剣には真紅の石、ゼラルドの剣には透明な石。二本の剣は、ともに古代レティカの宝剣だったのだ。
 ミルガレーテは、はっとした様子で顔を上げた。
「誰か来る」
 ささやいて彼女が姿を消すのと、セレンが部屋の戸口に現われたのは、ほぼ同時だった。セレンの腹部にはナイフが刺さったままだ。
「セレン? 何をしに来た、動きまわると傷口が」
 フルートが咎めると、セレンは忘れていたかのようにナイフを見下ろし、
「抗議に来た・・・でも、そういえば少しも痛まないし、血も滲まない。抜いてみる」
 フルートの頭の中で、何かがひらめいた。
「よせ、抜くな!」
 しかし、時すでに遅く。セレンはナイフを引き抜いており、フルートがすばやく振り向くと、視線の先では、思ったとおり、ゼラルドの服がみるみるうちに鮮血に染まっていった――そう、彼がセレンの傷を代わりに引き受けていたのだ。 

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