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  • (2017/4/29朝) そして、3月に続いて4月もまた、溶けるようにして消え去って行くのであった…。

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「セレン、医師をこちらへ!」
「わかった」
 セレンは事態を飲み込んで部屋を出て行き、フルートは剣を収めると、足元のふらついたゼラルドを支え、驚いて言った。
「ひどい熱だ。これでよく、あれこれ仕組んだな」
「・・・斬るのなら、早く斬りたまえ」
「病人に向ける剣はない」
「・・・斬らないというなら」
 ゼラルドはフルートの視線をとらえ、真剣な面持ちで、
「ぼくの血の付いたものは、すべて、洗浄または焼却してくれないか」
「わかった」
 フルートがうなずくと、黒髪の若者は安心したように目を閉じて、ぐったりとなった。

 ゼラルドがベッドで目を覚ましたとき、枕元ではフルートが椅子にかけるところだった。
「ああ、すまない、起こしてしまったか? 洗浄と焼却は指示したから心配ない」
 フルートはにこりと笑った。屈託ない笑顔。
 ゼラルドは、手当てされた傷の痛みに耐えながら上半身を起こし、尋ねた。
「フルート。なぜ、ぼくを助ける?」
「助けない理由は?」
「ぼくは君の友人を操って、君に害をなそうとした」
「ナイフなら何本だろうと避けられた。別にいい」
「君の友人は、自らを突きさす羽目になった」
「傷を肩替りしてくれたのだから、もういい」
「ぼくがまた何か企むかもしれないとは思わないのか」
「思わない。君も、無駄だとわかっただろうから」
 フルートは静かに言った。
「ゼラルド。もうわかっている。今回のことで君の狙いは、ぼくを傷つけることでも、セレンを傷つけることでもなかった。ただぼくに、周りの人間に気を許し過ぎるなと言いたかっただけだ。君の命と引き換えにしてでも」
 ゼラルドは無言で目を伏せた。フルートは続けて、
「だが、あのとおり、セレンはぼくを守ってくれたし、君もセレンを守ってくれた。君の目論見は見事に外れたわけだ。どうか自暴自棄にならず、ゆっくり休養してくれ。体が快復して、身の振り方が決まるまで、君はずっとここにいてくれていいんだ。もっとも、セレンのほうは・・・」

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