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 フルートは少し表情を陰らせた。
「体を乗っ取られた本人だから当然だが、セレンは君に対して良い感情を持っていない。この部屋は今までどおりに使ってもらえるだろうが、待遇は悪くなるだろう」
 ゼラルドはふっと笑った。
「別にかまわない。ぼくのほうも彼を気に入らない。それに、故国を離れた以上、ぼくはもう王子ではなく、ただの旅人だ。条件が整い次第、すぐに出て行く」
「そうか。・・・君が目を覚ましたことをセレンに伝えていいか?」
「かまわない。怒鳴りこまれるだろうが、ぼくの自業自得だ」
「わかった」
 そうして、フルートと入れ違いにゼラルドの部屋を訪れたセレンは、開口一番、
「体調が戻りしだい、すみやかに出て行っていただきたい!」
と、語気強く不機嫌に言い放ったのだった。
 ゼラルドはいつもの冷笑を浮かべたまま、
「君をかばって傷を負ったのに、ひどい言われようだ」
「何を・・・! そもそも他人の体を勝手に使うから――」
「では、もし君が二本目、三本目のナイフを投げたら、フルートに当たっただろうか?」
「いや。あれくらいの距離があれば、彼なら避けられる」
「では、君がナイフを止めないで投げていれば、誰も傷つかずにすんだね?」
「話をすり替えるな! 元凶は、君がぼくの腕を勝手に使ったことだ」
「ふうん、案外、賢いのだね・・・では、今すぐに出て行こうか。ただの旅人でしかないぼくは、君の情けに頼るより、自由なほうが気楽でいい」
「ただの旅人? 自由? 気楽? フルートならごまかせても、ぼくは違う」
 セレンはゼラルドをにらんだ。
「ローレインでは、行方がわからなくなった王族から、王位継承権を剥奪しない。だが、国に戻すために捜索することはなく、逆に、決して戻って来ないように暗殺者を送る。つまり、今の君は、病人であり怪我人であり、暗殺者にも追われている第一王子だ」
「・・・暗殺のことまで調べたのか」
 ゼラルドはつぶやくように、
『なるほど、人格に問題があっても、それなりにフルートの役には立つのかもしれないな』
 セレンは聞きとがめて、
「人格がなんだって! 君に言われる筋合い・・・いや、ともかく。不本意だけれども、客人として預かった以上、途中で放り出してはディア家の名にかかわる。快復するまではおとなしく滞在していただこう」
「了解した。では、そろそろ休みたい。他に用件がないなら、お引き取り願えるだろうか」
「・・・ああ、そう。では、お大事に!」
 セレンは言い捨てて、部屋を出て行った。

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