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訪問者(12)

 そうして、ひと冬の間、ゼラルドはディア家に滞在した。雪が解ける頃には、すっかり体調は元に戻っており、また、大境界を越えて来たためか、それとも越える前の偽装工作が功を奏したのか、暗殺者も現れる気配はなかった。
 しかし、いずれにしても、長く滞在すればするほど、ディア家には迷惑をかけてしまう。ゼラルドが旅立つ準備をしているところへ、ひとつの知らせがもたらされた。フルートとセレンも、急に旅に出ることになったというのだ。
「行き先が決まっていないのなら、一緒に来ないか?」
 フルートは楽しそうにゼラルドを誘った。
「隣国クルシュタインのフィリシア姫を護衛しながら、大陸の果ての聖泉<真実の鏡>まで行く。小回りが利くように、フィリシアとぼく達だけの少人数、非公式の旅だ。フィリシアとは会ったことがあるけれど、気さくで感じのいいお姫様だよ」
「少し会っただけの印象など、信用できるものか。姫君の護衛など面倒なだけだ」
 ゼラルドが断ろうとすると、フルートは言葉を重ねて、
「それなら、途中まで一緒に行ってみて、本当にいやだったらそこで道を分かつことにしないか? 途中まででも、聖者が近くにいてくれるとこちらも心強いし、君のほうも、一人旅の前の練習だと思えば、それなりに意味はあるだろう?」
「・・・ぼくが同行したら、セレンが嫌がるだろう」
「説得済み」
 フルートは包帯を巻いた右手をひらひらと振った。
「その怪我は?」
「セレンがなかなか承知してくれないから、つい」
「つい、って・・・自分で傷つけたのか?! いったい、旅と何の関係があって」
「自分でもよくわからない。でも、説得できたから、これでいい」
 次の展開が予想できる気がして、ゼラルドは深い溜息をついた。降参だ。
「わかった。ぼくも一緒に行こう。だから左手は切らなくていい」
「ありがとう」
 フルートはにっこり笑って言った。
「これからもよろしく、ゼラルド」
 出発の春は、すぐそこまで来ていた。

(完)

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