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(跳ぶ)(02)

 そうして、セレンはみんなの上を跳んだし、自分もみんなの馬になった。セレンの上を跳ぶとき、誰もが少しためらっているようだったのは、自分がルークに対して感じたのと同じためらいだ、とセレンにはわかったが、そうやって跳んだり跳ばれたりするのは、思った以上に、とても楽しかった。自分のてのひらに感じる友達の背のぬくもりも、自分の背に感じる誰かの手のぬくもりも、セレンには新鮮な感覚だった。
 結局、馬跳びの列は、広場の端に着くより先に、大人たちに邪魔だと怒られて、解散して鬼ごっこになった。馬跳びには入らなかった女の子たちも、鬼ごっこには混ざって一緒に走った。
 狭い路地で、セレンをつかまえたのは、髪を編んでくれたエリナだった。
「つかまえた!」
 息を弾ませて笑ったエリナは、きょろきょろと辺りを見回して、路地に二人きりなのを確かめると、真面目な顔になった。小さな声で、
「あのね、セレン。聞いてくれる?」
「うん、何?」
「言おうかどうしようか、ずっと迷ってたの。そのう、あたしね・・・」
「うん」
 やさしく応じながら、セレンは内心、ああエリナもルークのことが好きなんだ、と、苦笑した。実のところ、女の子たちからこうして相談を寄せられることには、すっかり慣れっこになっていた――「ルークって誰か好きな子がいるの?」とか、「ルークってどんな女の子が好みなの?」とか。当のルークは全然、まるっきり、むしろ感心するくらい、彼女らの気持ちに気が付きはしないのだけれど!
「あたしね・・・手の届かないひとだって、わかってるんだけどね・・・」
と、エリナは細い声で言った。あれ? まさかエリナは、ルークの正体を知っている?
「わかってるんだけど、でも・・・でも、あたしね、セレン、あたし、あなたのことが・・・」
と、そこまで言って、エリナは真っ赤になった。
 セレンは、いろいろな物語を読んでいたし、それなりに気の回る性質だったから、親友なら気付かなかっただろう、その先の言葉がちゃんと想像できた。半ば不意打ちだったので、どうしたらいいのか、とっさには思いつかなかったが、ともかく! ありったけの誠意をこめて、エリナがその先を言う前に彼女の手を取った。
「ごめんね、エリナ。でも、ありがとう」
 ささやいて、指先にそっと唇をふれると、エリナはへなへなと路上に座り込んでしまった。
 セレンは自分も路上に膝をついた。
「大丈夫? ねえ、エリナ、これからも友達でいてくれるよね?」
「・・・うん。ごめん。ごめんね。ありがとう。セレン」
 エリナは泣きそうな顔で、笑った。その様子が、あまりに可愛らしくて、いじらしくて、いっそ抱きしめてしまいたいくらいだ、と思ったけれども、セレンは立ちあがって手を差し伸べた。
「戻ろう? みんなのところに」
「うん・・・。えっとね、あのね、もし迷惑でなかったら、また髪の毛、編ませてね」
 それがエリナのせいいっぱいなのだ、とわかったから、セレンはうなずいて、
「いいよ。それなら当分、切らずにおくよ」
と言った。
「ありがと!」
 エリナはうれしそうに笑って、差しのべられた手につかまって立ち上がると、自分から手を離し、顔を上げ、先に立って路地から走り出して行った。

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